2009年12月14日 (月)

【楽】2009年 こんな音楽を聴いた(CD)

今年発売されて私が手に入れたCDのうち、いちばんうれしかったのは、なんといってもこれ。

Hako_genso1_1Hako_hqcd_series山崎ハコ 『幻想旅行』

幻の名盤と言っていい。
ずっとCD化を願っていた。
私のそんな想いが通じたのか、『幻想旅行II』 『茜』 『風の色』 とあわせて、4枚が発売された。

とくに、『幻想旅行』 は、私がずっと「ハコさんの最高傑作」 と言い続けてきたアルバムだ。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/cd-ad7e.html


もう一枚、山崎ハコさんの新譜が11月にでた。

Hako_mihappyou_2山崎ハコ 『未・発・表』

アルバム・タイトルがもう少しなんとかならなかったのかと残念だが、内容はすばらしい。
上の再発売アルバムが、二十代のハコさんのひとつのピークだとしたら、こちらは、「今の」ハコさんの円熟した姿だ。
いやいや、「円熟」なんて言うと失礼だな。
まだまだ、これからも歌い続けてくれるだろうから。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-fd4b.html

これは余談だが(そして、あまり書かない方がいいのかもしれないが)、ハコさんは、安田裕美さんという名ギタリストを伴侶に得て、ずいぶんいい方向に変わったと思う。
書いているうちに、また、二人のライブに行きたくなってきた。
ここしばらく、ハコさんのライブにはごぶさたしている。


さて、上々颱風のニュー・アルバムをあげておかないと、片手落ちになる。
片手落ち、と言っても、それは私だけかもしれないが。
(山崎ハコさんと上々颱風の両方が好きだという人を、私は何人か知っているが、そうそうたくさんはいないだろうな)

Shangshang12_domin_no_uta1上々颱風 『上々颱風 12 土民の歌』

初期の上々颱風からずいぶん変わってしまったけれど、このバンドの芯(コア)の部分は変わっていないと思う。
「夜明け」 「歌うは夢」 「虹」 といった、おだやかでリリカルな歌が、私は好きだ。
が、たまにはにぎやかな歌もいい。
元気がでてくるのだ。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-19ba.html


そうそう。
今年は上々颱風のシングル集もでた。
これはうれしい。

Shangshang_golden_best上々颱風 『ゴールデン☆ベスト』

今では入手困難になった、上々颱風の8cmシングルCDのA面だけを集めたもの。
B面(カップリング曲)にもいいものがたくさんあるので、いつか、そちらも発売してもらいたいものだ。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-43bf.html

私は、上々颱風に関しては 「遅れてきたファン」 (2001年から聴きはじめた)だから、シングルCDを入手するのにもずいぶん苦労した。
ファン仲間に助けてもらった(つまり、ゆずってもらった)ものも多いが、ほとんどは、中古店を探し歩いてみつけたものだ。
それでも、一枚だけ、どうしても手に入らないシングルがある。
このCDに収められている「アヴェ・マリア」のカップリング、「雨ニモ負ケズ」がそれだ。
Amazon
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G50I

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月13日 (日)

【楽】2009年 こんな音楽を聴いた(ライブ)

本を読むのとちがい、音楽を聴くのは楽でいい。
ライブ会場まで足を運ぶことも楽しいし、家で何かしながらCDで聴くのもいい。

今年もまた、数えるほどしかライブに行かなかった。
親しくしている須藤もんさんのライブにも、7月の代々木と9月の国立の二度しか足を運んでいない。
いやいや、申しわけない。


2009/7/25 (日) 代々木 マイバックページズ

0907250111この日は、めずらしく、うちのかみさんも同行。
夏の暑い盛りだったが、いいライブだった。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/motel-7b7e.html

出演 まつだなお/赤目/MOTEL(須藤もん+対馬照)



2009/9/13 (日) 国立 奏

0909130003私の好きなライブ・スペースだ。
自宅から比較的近いこともあって、ひさしぶりに行った。
拡声器を使わない、アンプラグドのライブはいいものだ。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/motel-913-5b0e.html
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/motel-913-578c.html




その他のライブ

2009/2/14 (土) 高円寺 JIROKICHI  上々颱風

Shangshang_jirokichi_20090214高円寺北口にあるライブ・ハウス JIROKICHI(次郎吉)の開店35周年記念ライブの一環。
その昔、上々颱風もこの店でライブをしていたらしいが、私は知らない。
地下の狭い空間に、ぎっしり客がはいって、熱いライブだった。
上々颱風は、ホールよりもこういうライブ・ハウスや、野外ライブの方がいい。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-019e.html


2009/5/9 (土) 世田谷パブリックシアター  上々颱風

0905090009このシアター・ライブと、7月の花園神社野外ライブは、ほとんど毎年でかけている。
かみさん同行。
ひさしぶりに 「魂の解放」 を体験。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/2009-8759.html




2009/7/4 (土) 新宿花園神社  上々颱風

200907041854こちらは、ひとりで足を運んだ。
かみさんには、現場から携帯電話で実況中継。
ふたたび 「魂の解放」 を体験。
やはり、上々颱風は野外ライブにかぎる。

詳し日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/2009-e0a3.html
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/2009-0c9a.html


2009/8/29 (土)
 青山劇場 第8回 東京国際和太鼓コンテスト 組太鼓青少年の部

0908290002長丁場だったが、おもしろかった。
和太鼓の魅力を満喫。

詳しい日記はこちら
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2009/08/post-17bd.html





12月19日(土) 鴬谷 東京キネマ倶楽部での上々颱風ライブが、今年のしめくくりライブ観戦になる予定。
なんとか行くことができそうだ。
さきほど、チケットぴあで前売りを購入した。
何年か前にも、この場所で年末ライブを観た(聴いた)が、昔のキャバレーの風情を残す、おもしろい店なのだ。

上々颱風 offical website
http://www.shangshang.jp/shang.html

東京キネマ倶楽部
http://www.kinema-club.com/top_set.html

上々颱風 シャンシャン・ナイトフィーバー!’09
  ~ お楽しみはこれからでSHOW! ~
2009年12月19日(土)
OPEN 17:30 START 18:30
料金:前売¥5,500(整理番号付・tax in・ドリンク別) 
   当日¥6,000(1F立見のみ・tax in・ドリンク別)
発売日:2009年10月16日(金)10:00より
     M&I カンパニー 03-5456-8899
     チケットぴあ  0570-02-9999 http://pia.jp/t/
     ローソンチケット  0570-084-003
     e+ http://eplus.jp
     CNプレイガイド 0570-08-9999
問合せ:M&I カンパニー 03-5456-8899
      http://www.mandicompany.co.jp/

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【読】2009年 こんな本を読んだ

まだ半月ほど残っているけれど、今年の 「こんな本を読んだ」 の総集編。
今年のはじめ、年間100冊を目標にしてみた。
今のところ、80冊ほどしか読んでいない。
途中で読むのをやめた本も何冊かある。
何日もかかった本、数時間で読みおえた本、いろいろあったな。

持っている本の量や読んだ本の数を、ついつい自慢したくなるのが人情だけれど、そこにたいせつな意味があるはずもない。
読書体験の中味がたいせつなのだ、と自戒しつつ、この一年、濃厚な読書体験をさせてくれた本をふりかえってみたい。


Mizuki_rabaul水木しげるの本を何冊か読んだ(コミックを含む)。
『水木しげるのラバウル戦記』 (ちくま文庫)が印象に残っている。
『コミック昭和史』 (講談社文庫)は、最初の巻しか読めなかった。

白土三平の 『カムイ伝』 とともに、年末年始の休みにでもゆっくり読んでみたいと思う。






Funado_manshu5 船戸与一 『満州国演義』 (新潮社)をまとめて5冊、1月から2月にかけて読んだ。
4巻目までは、再読。
5巻目『灰塵の暦』が1月に出版されたのを機に、通して読んでみた。
続巻はまだ出ていない。
船戸さんに関して、健康面で悪い噂を耳にしているので心配だ。
全8巻の予定と聞いているが、未完のままおわってしまうのだろうか。






Funado_kahan_ni_shirubenaku船戸与一さんの著作で、まだ読んでいなかったものをいくつか読んだ。
これからも読みつづけたいと思う。
『河畔に標なく』 (集英社2006年)
『蝶舞う館』 (講談社2005年)
『三都物語』 (新潮社2003年)
対談集 『諸士乱想』 (徳間文庫1998年)
『流沙の塔』 (新潮文庫2002年)

そこから派生して、高野秀行さんという人を知ったことは、今年の収穫だった。
教えてくださった、こまっちゃんに感謝。


高野秀行さんの本を立て続けに乱読した。
ハマった、と言っていい。

Takano_ahen_oukoku『アヘン王国潜入記』 (集英社文庫)
『世界のシワに夢を見ろ!』 (小学館文庫)
『ワセダ三畳青春期』 (集英社文庫)
『幻獣ムベンベを追え』 (集英社文庫)
『メモリークエスト』 (幻冬舎)
『異国トーキョー漂流記』 (集英社文庫)
『怪しいシンドバッド』 (集英社文庫)
『巨流アマゾンを遡れ!』 (集英社文庫)
『西南シルクロードは密林に消える』 (講談社)
『神に頼って走れ!』 (集英社文庫)
『怪魚ウモッカ格闘記』 (集英社文庫)
『辺境の旅はゾウにかぎる』 (本の雑誌社)
『怪獣記』 (講談社2007年)
どの本もおもしろかった。

さらに、高野さんの著作から、内澤旬子さんや服部文祥さんといった、魅力ある人たちを知った。

Uchizawa_sekai_tochiku_kikou斉藤政喜/内澤旬子(イラスト) 『東方見便録』 (小学館1998年)
 『東京見便録』 (小学館2009年)
内澤旬子 『世界屠畜紀行』 (解放出版社2007年)

どれも「目から鱗が落ちる」思いをさせられた内容だった。







Hattori_survival_climber服部文祥
『サバイバル!』 (ちくま新書2008年)
 『サバイバル登山家』 (みすず書房2006年)

この二冊も、魅力的な本だった。
服部さんのサバイバル登山というワイルドな登山スタイルを知ったちょうどその頃、北海道の大雪山系 トムラウシ山で、いたましい集団遭難事故があったので、なおさら強く印象に残った本だ。





先の戦争に関する本を、今年も読んだ。

Sawachi_manshuu上笙一郎(かみ・しょういちろう) 『満蒙開拓青少年義勇軍』 (中公新書)
朝日新聞山形支局 『聞き書き ある憲兵の記録』 (朝日文庫)
澤地久枝 『もうひとつの満州』 (文藝春秋社)
 『わたしが生きた昭和』 (岩波現代文庫)
赤塚不二夫 『これでいいのだ 赤塚不二夫自叙伝』 (文春文庫)
森史朗 『松本清張への召集令状』 (文春新書)
川嶋康男 『永訣の朝 樺太に散った九人の逓信乙女』 河出文庫(2008年)

読みたい本は、まだたくさんあったが、いつのまにか興味が別の方向にいってしまった年だった。


Hiraoka_ishihara_kanji平岡正明 『日本人は中国で何をしたか』 (潮文庫)
 『石原莞爾試論』 (白川書院)
平岡さんは、今年、惜しくも亡くなってしまった。
私の兄貴分にあたる年代の人がいなくなるのは、さびしい。







その他、たくさんの魅力的な人たちに、本の世界で出会えた年だった。
充実していた、とい言っていいだろう。
ことに、関野吉晴さんと長倉洋海さんを知ったことが、うれしい。

金関寿夫 『魔法としての言葉 アメリカ・インディアンの詩』 (思潮社1988年)
ナンシー・ウッド/フランク・ハウウェル(画)/金関寿夫訳
  『今日は死ぬのにもってこいの日』
(めるくーまーる1995年)
長倉洋海・関野吉晴 『幸福論』 (東海大学出版局2003年)
関野吉晴 『グレート・ジャーニー①南米~アラスカ篇』 (ちくま新書2003年)
 『グレート・ジャーニー②ユーラシア~アフリカ篇』 (ちくま新書2005年)
長倉洋海 『ヘスースとフランシスコ』 (福音館書店2002年)

Kanaseki_oral_poetryNancy_wood_many_wintersSekino_nagakura_kofukuron2Sekino_great_journey_1_2Sekino_great_journey_2Jesusu_francisco_1       

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【観】定点観察(銀杏並木) 2009年4月~12月 総集編

小平団地(東京都小平市)の銀杏並木の一年。
春先の4月9日から初冬の12月13日まで。

できるだけ同じアングルの写真を並べてみた。
季節の移りかわりが伝わるだろうか。

並べてみると、4月、いっきに新緑となり、11月にはあっというまに黄葉することがわかる。


2009年4月 春
(左上から右下へ) 4/9 4/11 4/12 4/15 4/18 4/25

09040900010904110001090412000309041500020904180029_20904250001











2009年5月 初夏 
 5/2 5/16

0905020001_20905160007_2











2009年6月~9月 夏
(左上から右下へ) 6/27 7/26 8/15 8/22 9/6

09062700110907260003090815000809082200040909062005_2











2009年10月 初秋
 10/18 10/31

09101800010910310002_2











2009年11月 秋
(左上から右下へ) 11/1 11/3 11/7 11/14 11/21 11/23 11/28

0911010247091103000409110700040911140009091121000109112300060911280002











2009年12月 冬
 12/4 12/13

09120400010912130001_2





| | コメント (0) | トラックバック (0)

【観】定点観察(銀杏並木) 第24回(2009/12/13) 最終回

今年の春、4月9日から続けてきた 「定点観察(銀杏並木)」 も、これをもって最終回としたい。
季節がひと巡りして、冬枯れの銀杏並木になった。

小平市にあるこの団地には、東西に横断する車道(私道)が二本あり、銀杏並木になっている。
そのうちの南側の並木を、春から初冬にかけて撮り続けてきた。

ほんとうは、写真の構図をいつも同じにするとよかったのだが、性格にずぼらなところのある私は、「まっ、これでいいか」という感じでいいかげんに撮ってきた。
お許し願いたい。


2009/12/13(日) 10:10 うす曇り

09121300010912130002

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月11日 (金)

【読】写真のちから

長倉洋海さんの 『ヘスースとフランシスコ』 (福音館書店/2002年) を読んで、「写真のちから」ということを考えさせられた。

Jesusu_francisco_1中米の小国、エル・サルバドル(El Salvador スペイン語で「救世主=イエス・キリスト」を意味するという)を何度も訪れ、現地の人たちと仲よくなっていく話は、とても胸にしみる。
乾いたこころを潤してくれるエピソードがたくさんあって、いい本だと思う。

この人のすごいところは、現地の人たちの中にはいって行き、とけこんでいきながら写真を撮り続けることだ。
はじめ警戒していた子どもたちも、彼になついて写真を撮ってくれとねだる。
長倉さんは、子どもたちの写真を次に訪れたときにプレゼントする。

<すぐに子どもたちが集まってきた。顔を覚えている子も大勢いる。前に撮った写真をわたすと大喜びだ。わいわいやっているうちに、子どもたちの数はどんどんふえ、口々に「ぼくを撮って」「私も」とせがまれる。> (「エル・サルバドル再び 1984~85」 P.44)

<気がつくと、すごい数の子どもたちがぼくたちを取り囲んでいる。おとなが追いはらっても、またすぐに集まってくる。目くばせで「写真を撮って」と合図を送ってくる子。ベルトを引っぱったり、手を握って放さないヨチヨチ歩きの子。髪の毛はバサバサ、衣類もボロボロだけど、どの子も人なつっこくてかわいい。ヘスースのいちばん下の妹マルタは、おみやげのチョコレートをほおばっては口からまた出して、ぼくに食べさせようとする。ここにいると楽しくて、なつかしい家族のもとに帰ったようだ。> (「内戦の終結 1995,1997」 P.83)

写真がもつ、すばらしいちからを感じさせられる。


いっぽう、写真を撮るという行為が、撮られる側にとっては暴力となることがある。
ある種の信頼関係がないと、写される側の人たちは、暴力を感じて撮影を拒絶する。
長倉さんも、はじめの頃は何度もそんな経験をしている。
拒絶されるのは、撮影する側の姿勢に問題がある。
人間を「被写体」としてしかとらえない姿勢に。
そういった体験が、このまえ読んだ 『フォト・ジャーナリストの眼』(岩波新書/1992年)に、たくさん語られていた。


私にも苦いおもいでがある。

もうずっと昔のことだが、尾瀬の木道を、写真を撮りながら歩いていた時。
私が木道でひと休みしていると、後方から、何メートルもある背の高い独特の背負子(しょいこ)を背負った、二人のボッカさんがゆっくり近づいてきた。
尾瀬にはボッカ(山小屋への荷物の運搬)を職業としている人がいる。
湿原に続く木道と、そこを歩くボッカさんの姿は、「絵になる」すばらしい光景だ。

私は、恰好の被写体に出会ったことに喜び、木道とボッカさんの風景を撮ろうと三脚にのせたカメラのシャッターを切った。
その時――。
先を歩いていた男性のボッカさんが私に気づき、「撮るな!撮るな!」と叫びながら手で顔を覆いながら近づいてきた。
私は、とっさにじぶんの行為の間違いに気づき、あわててカメラを片づけた。

二人は私のところまで来ると、背負子をおろし、隣りに座った。
一服するらしい。
近くで見ると、どうやらご夫婦のボッカさんらしい。

私は、ばつが悪くなり、頭をさげてあやまった。
「すみません」と。
それ以上の言葉を持ちあわせていなかった。

男性の方は私に目もくれない。
奥さんと思われる女性は、何も言わず、険悪な雰囲気をとりなすような、あるいは、とがめるような視線で私を見ていた。
私は、ふたたび「すみません」とあやまってから、その場を去った。
木道を一人とぼとぼ歩きながら、私の胸は苦い思いでいっぱいだった。
あの時ほど、じぶんの迂闊さを恥じたことはない。

この本を読んで、ひさしぶりにそんな体験をおもいだしていた。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年12月 9日 (水)

【読】五木寛之の『親鸞』

東京新聞他に連載していた、五木寛之さんの 『親鸞』 が、いよいよ出版されるらしい。
今日、ネット注文の受けとりでよく利用している武蔵小金井駅前の書店に寄ったところ、予約ちらしが置いてあった。
前評判というか、前宣伝が派手だ。

私は、とっくにネットで予約した。
新聞連載は途中からしか読めなかったが(東京新聞に変えたときには、すでに連載がはじまっていた)、あらためて単行本で読んでみたいという気持ちは、それほどなかった。
ある時期からの五木小説に「説教臭さ」を感じはじめて、好きじゃなくなってきたせいもある。

それでも予約してしまうのが、長年のファンの業ではあるが……。

画は、新聞連載と同じ、山口晃画伯。
今月下旬に出るらしい。

Itsuki_shinran_pamph

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【読】ヘスースとフランシスコ

図書館に予約していた本が届いたので、借りてきた。

好ましい感じの本だ。
本文の漢字にはルビがふってあり、この本が青少年を対象に書かれたことがわかる。
子どもたちに、こういう本を読ませたいと私も思う。

そういえば、写真家の星野道夫さん(故人)も、子ども向けの写真と文章の本を何冊も残している。
二人とも、人間が好きで、子どもが大好きなんだ、きっと。


Jesusu_francisco_1Jesusu_francisco_2『ヘスースとフランシスコ』
  ― エル・サルバドル内戦を生きぬいて ―
 長倉洋海  福音館書店
 2002/9/25初版発行 230ページ
 1600円(税別)

<中米の、そのまた真ん中の小国、エル・サルバドル。1982年、内戦の続いていたこの国に、ひとりの若い写真家が、自身の転機を求めて飛びこみます。難民キャンプで目を留め、フィルムに収めた三歳の少女の姿――結局彼はその後二十年にわたって、少女の成長と人々の暮らし、それを取り巻く社会の変貌を、幾度にもわたる訪問で追い続けることになりました。……ページをめくるごとに、"想い"にあふれた写真と文章とが熱く響きあいながら語りかけてきます。>  (本書カバー裏 より)

(左の画像) カバー写真 段ボールの仕切壁からのぞくヘスース、84年
(右の画像) カバー写真 結婚式の日


― 本書 「プロローグ――トウモロコシ畑で」 より ―

<ヘスースが、赤ん坊のジャクリーンを抱き上げ、空に高く差し上げた。ヘスースは十七歳、若い、若いお母さんだ。山間の小さな畑に風がわたり、ふたりの頬をなでていく。青空に掲げられたジャクリーンは、顔をクシャクシャにして笑っている。見つめるヘスースの顔も喜びであふれている。>

<一歳から十七歳までの十六年間を難民キャンプですごしたヘスースが、いまトウモロコシの畑で汗を流している。「緑の中で働くのが好きなの」と、うれしそうに話す。>

<キャンプを出て、農園で新しい生活を始めたヘスース。彼女のかたわらにはジャクリーンと夫のフランシスコがいる。農作業を終え、ジャクリーンを肩車したフランシスコと、鎌と弁当箱の入った籠を下げたヘスースが、山の路をたどる。トウモロコシ畑にはさまれた小路を上り下りしていく幸せそうな後ろ姿に、ぼくはシャッターを切った。>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年12月 8日 (火)

【読】長倉洋海さんの好著

図書館から借りて、今日から読みはじめたこの本。
いい内容だ。

Nagakura_photo_journalist_3長倉洋海 (ながくら・ひろみ)
 『フォト・ジャーナリストの眼』
 岩波新書 新赤版223 1992/4/20 第1刷発行
 244ページ 602円(税別)

<「右眼でファインダーを、左眼でそこには映らない世界を」 戦乱のエル・サルバドールでは一人の少女を10年間撮り続け、またアフガンの戦士と250日間生活を共にするなど、世界を駆け巡るなかで、彼の「眼」はどう変化していったか。 国内外で同時代の鼓動を撮り続ける気鋭のカメラマンが、情報過多社会における舗道写真のあり方を熱っぽく語る。> (本書カバー裏)

第一章はエル・サルバドルが舞台。
今日読んだところで、とてもいいエピソードがあった。
「難民キャンプの少女ヘスース」 という文章だ。
長倉さんには、『ヘスースとフランシスコ エル・サルバドル内戦を生きぬいて』(福音館書店/2002年)という児童向けの本もあるらしい。
新本では入手不可能なので、図書館から借りて読んでみたい。

『ヘスースとフランシスコ エル・サルバドル内戦を生きぬいて』 長倉洋海
e-honサイト
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031029428&Action_id=121&Sza_id=F2
Amazon
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4834018857


ところで、本書で私が感銘を受けた箇所。
長倉さんの文章も、てらいがなく、好感がもてる。

以下、本書34-36ページより。

<…(略)…四年ぶりのキャンプの中はガランとしている。はずれにある一軒の家の戸口に立った。女の子が顔を出す。背が伸びて体も大きくなったけれど、ヘスースに間違いない。突然の訪問にきょとんとしているヘスースに、彼女が写っている写真を見せる。「わぁー、私だ。お母さん、見てよ」と写真をもったまま家の中に駆けこむ。以前、日本から送った写真は届いていなかったのだろう。>

<ヘスースはいま十歳。髪を長くして大人っぽくなたが、最初(82年)に見たときは、まだほんの子どもだった。家の前でだだをこね、お母さんに怒られて泣いていた。キャンプに来たばかりで、まだ環境になじんでいなかったのだろう。>


ヘスースが3歳のときの写真「母に叱られ泣き出した3歳のヘスース(サンタ・テクラ難民キャンプ,1982年)」が掲載されている。
この本の写真はモノクロ印刷だが、先日読んだ『幸福論』(東海大学出版局、関野吉晴さんとの対談)には、カラー写真が載っていた。

長倉さんの、子どもたちに対する優しいきもちがにじみでている、いい写真だ。
『幸福論』には、おなじヘスースの10歳のときの写真(1990年)と、若い母親になって娘を抱きあげている17歳の写真(1997年)が並べて掲載されている。
中米の一人の少女とこれだけ長いあいだつきあい続けたところに、長倉さんの、一本筋の通った生き方を感じる。


<84年にエル・サルバドルを訪れた時は、クリスマス・シーズンだった。町では子どもたちがアメやお菓子を買ってもらい、教会の前で着飾って記念撮影する光景があった。キャンプにも、慈善団体の人たちがプレゼントをもってやってきた。きれいに着飾った女の子が木からつるしたぬいぐるみを棒で割り、中からこぼれ落ちたキャンディを、キャンプの子どもたちに拾わせた。その奪い合いに入って行けずに、遠巻きに眺める子どもたちの一人に、ヘスースがいた。/苦しい生活なのに、彼女の表情には人を魅きつける明るさがあった。>

<ヘスースはいま週に数日、学校に行っているという。84年と違って、キャンプの外にも出られるようになった。…(中略)…ヘスースの将来の夢は「秘書になること」だ。隣りでパンを作っていた母親が、「まだ字も書けないくせに」というとヘスースは恥ずかしそうに下を向いた。>

<エル・サルバドルを離れてしばらくしてから、一通の手紙が届いた。キャンプを訪ねた友人からのものだった。便箋の中に、「Jesus(ヘスース)」とサインが書かれてあった。よれよれの曲がりくねった字……。ヘスースだ。字が書けるようになったのだ。キャンプを訪れると、駆け寄って来て、手を引っ張っては他の子のところに連れて行き、「私の写真と同じように、きれいに撮ってあげてよ」と私に頼みこむヘスースの表情を思い出していた。>

引用が長くなったが、心あたたまる、とてもいいエピソードだったので紹介した。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年12月 6日 (日)

【歩】身近な紅葉

快晴。
団地のなかをすこし歩いてみた。

2009/12/6 撮影  小平市

09120600160912060015091206001009120600130912060025   

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«【観】定点観察(銀杏並木) 第23回(2009/12/6)