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2005年10月25日 (火)

【読】静かな大地(3)

ニ連発だが、印象が薄れないうちに書いておこう。
池澤夏樹 『静かな大地』 4番目の章 「札幌官園農業現術生徒」 は、夫とともに旭川に渡った由良の許へ、姉の都志から送られた小包から始まる。

小包の中味は、亡くなった叔父・三郎から、都志・由良姉妹の父・志郎(三郎の弟)に宛てた古い手紙の束だった。
明治10年1月から12月までの1年間、宗形三郎は、札幌農学校に付属の学校(1年制)に寄宿し、農業現術生徒と呼ばれて、農学、牧畜学の実務を学ぶ。 講師はアメリカから来ていて、アメリカ式の農業・牧畜業を北海道に展開するのが目的だった。

クラーク博士で有名な札幌農学校は4年制だったが、こちらは、即戦力を養うための学校。 三郎は、このとき満15歳。 故郷の静内にいた弟(志郎)に宛てて、見るもの聞くもの珍しいものばかりの札幌での体験を綴った手紙である。

三郎はここで、馬鈴薯や唐黍(とうもろこし)の栽培を学び、馬を育て、馬を使って開墾することを実地で学ぶ。
チーズやバターを作ることも、葡萄を栽培して葡萄酒を作ることも、ポップコーンを作ることも、彼らににとって初めての珍しい体験だった。
明治期の北海道開拓に賭けた意気込みが伝わってくる手紙で、興味ぶかい。

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