【読】長い物語
長編小説を読むのが好きだ。
といっても、あまり長いものは苦手。時代小説の文庫本で20冊にもなるようなものを、みんなよく読んでるなあと、いつも感心している。ぼくは根性が足りないので、途中で投げ出したくなるのをこらえて、なかばムキになって無理しておしまいまで読むから、後に印象が残らなかったりするのだろう。
ぼくが好きなのは、現代小説の長めのものだ。
たとえば、北杜夫の『楡家の人々』、五木寛之の『戒厳令の夜』『朱鷺の墓』、船戸与一の『蝦夷地別件』『砂のクロニクル』『猛き箱舟』あたりの、娯楽小説を愛する。
宮部みゆきの長編もずいぶん読んだが、読んでいる最中はとてもエキサイティングで、人情の機微を描くのがうまいなあと感心するけれど、読後の印象はわりと希薄である。宮本輝にはまったこともあった。この人も名手だと思う。
そんな中で、池澤夏樹の『静かな大地』からは、深い感銘をうけた。
はじめて読んだのは、去年だったと思う。近所の郊外型書店でたまたま見かけて買ったのだ。それまで池澤さんの小説やエッセイをだいぶん読み進んでいたので、この興味深い小説を読んでみようと思ったのである。
池澤夏樹 著 『静かな大地』
2003年 朝日新聞社 刊
初出は朝日新聞連載(2001.6.12~2002.8.31)
A5版、620ページに及ぶ長編
本の厚さ4cm、重量700g、通勤電車で読むにはやや重い
さて、この小説を今日から再読している。前回はじめて読んだときには気づかなかったことがいろいろ発見できる。読むスピードが遅いのと、通勤電車・バスの中でしか本を読む習慣がないので、とにかく時間がかかる。
ちょうどブログのネタにはいいかな、と思うので、少しずつ印象に残る部分など紹介していこうと思っている。・・・気長におつきあいいただけると嬉しい。
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