【演】葛根湯
すこし風邪気味である。ふだん、薬というものを飲まないのだが、こんな時は葛根湯を飲むとたいてい治ってしまう。
胃の調子が悪ければ漢方胃腸薬、便秘気味なら「いけだや通じ丸」という富山の丸薬。薬を飲むのはこれぐらい。いずれも生薬である。西洋の薬はなんとなく恐いので、医者から薬をもらってもあまり飲まないようにしている。
葛根湯といえば、またまた落語ネタだが、「葛根湯医者」というのを思い出す。
どんな病気にも葛根湯を処方する医者をこう呼ぶ。
「先生、わたし頭が痛いんです」「いけませんなァ。葛根湯を飲みなさい」
「お腹が痛いんです」「いけませんなァ。葛根湯を飲みなさい」
「先生、わたしあの男について来たんですが」「いけませんなァ。ご退屈でしょう。葛根湯・・・」
ことほどさように、葛根湯はなんにでも効くのである。
丹沢の山小屋に泊まったとき、風邪が悪くなって困ったことがある。咳がとまらなくて同宿の登山者に気をつかいながら、なかなか眠れなかったが、これも寝る前に飲んだ葛根湯が効いたのか、翌朝には抜けてしまった。ほんとうの話である。
ところで「葛根湯医者」の続きだが、「寿命医者」(患者が亡くなったら〝ご寿命です〟)、「手遅れ医者」(なんでもっと早く連れてこんのじゃ。バカァ。こりゃ手遅れですなァ)、「雀医者」(藪へ飛んで行こう、飛んで行こうとしている、つまりこれからヤブ医者になろうとしている医者)など、落語の世界にはいろんな医者がいるそうだ。
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コメント
何だか面白い内容で、笑ってしまいましたァ!
私はしこしことコメントを書くのが好きな性質ですが、ここの管理人さんは私の写真日記などには何にも関心を向けては下さらないので、これは「無関心」という名の一種の病気かも知れません。葛根湯を飲んで考えていただけると嬉しいですが。
投稿: bluestar | 2005年10月22日 (土) 22時08分
「すずめ医者」は、枝雀さんによれば「こらから藪に飛んでいこう」ということだそうで。
「たけのこ医者」というのもあって「これから藪になろう」・・・。
そもそも、何故「ヤブ医者」かとういうと「風で動くから」、そのココロは「風邪ぐらいなら診てもらってもだいじょうぶだろう」という程度のお医者だから、だそうで。
以上は桂枝雀さんのレコードを聞きなおして気づいたことです。どうでもいいけど。
(無関心病のやまおじさんより)
投稿: やまおじさん | 2005年10月22日 (土) 22時42分
「無関心病」は、流行風邪ではないかしら。
投稿: bluestar | 2005年10月23日 (日) 06時30分