【演】桂枝雀
日付がかわってしまったが、今夜はニ連発。
引越しの荷物を整理していたら、桂枝雀のレコードがたくさん出てきた。
一時期、枝雀落語にはまっていて、TVにもさかんに出演していた時期だったので、ビデオも山ほどとってある。
ぼくが最も好きな噺のひとつが「壺算」である。
水壺を買いにいくはなしで、ネタばらしになってしまうが、いちばん面白いところを書いてしまおう。
落語によく出てくる頼りない人物と、その友だちの徳さんの二人が瀬戸物町へ水壺を買いに行く。
ある瀬戸物屋で3円50銭の一荷(いっか)入りの壺を3円まで値引きさせて買い、二人で担って店を出る。
ところが欲しかったのはニ荷(にか)入りの壺。それを言うと、徳さんは落ち着き払って、これがニ荷入りの壺に変わるという。二人で元の瀬戸物屋へ。
さっき買ったばかりの一荷入りの壺を、ニ荷入りに買い替えたいと言って、値段は倍の6円ということに交渉成立。
不要になった一荷入りの壺を、3円で引き取ってもらうことになり、「さいぜん現金で3円渡してある。壺の3円と銭の3円、あわせて6円で、この壺(ニ荷入り)もろて去ぬわ」・・・店のオヤジがこれに騙されて、なんとなく計算がおかしいと思いながらも、いったんは承諾する。が、やっぱりおかしいと気づいて、呼び止める。
このあたりのやりとり、文章で説明してもちっとも面白くないなぁ。
やっぱり音源で聞いてください。ビデオやCDで出ているので。
おやすみなさい。
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コメント
以前、カセットテープで彼のお話を送って頂いて随分楽しみました。ユーモアともニュアンスの違う日本的な落語のオチの世界・・・・いいものですね。日本人はこの世界を長い間好んでいたのだと思います。現在のTVで、ゲストがたくさん集まって自分たちがおかしくもない事を話して笑っている世界とは根本的に違いますね。今後は私も修行を重ねて、やまおじさんの「こころの域」へ近づきたいものです。
投稿: 玄柊 | 2005年10月16日 (日) 05時19分
枝雀さんが亡くなったことを知ったときは、ショックでした。病気でも事故でもなかったので。人知れず悩みをかかえていたのでしょうが、なんとか乗り越えてくれていれば、今頃はスケールの大きな噺家になっていたことでしょう。
惜しい人を亡くしたと、よく言います。まわりの身勝手かもしれないけど、こう表現するしかない才能を持った人でした。
投稿: やまおじさん | 2005年10月16日 (日) 06時37分