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2005年11月 8日 (火)

【読】日本国憲法

池澤夏樹さんの『憲法なんて知らないよ』という本は、とても面白かった。
いろいろ知らないことがあったので、タメになった。

日本国憲法が最初に英語で書かれたということも、はっきり認識していなかった。
なんか、法律の文章って難しいな、と思っていたのだが、英語の原文を極度に〝厳密に〟訳すと(憲法はブンガクじゃないから、あいまいさを排除するということだ)、あの硬い文体になるのだろう。

英語は得意じゃないけど、この本の巻末に載っている英文の憲法は、なかなかいい文章だと思う。その前文は、このように始まる。

THE CONSTITUTION OF JAPAN
We, the Japanese people, acting through our duly elected representatives in the National Diet, determined that we shall secure for ourselves and our posterity the fruits of peaceful cooperation with all nations and the blessings of liberty throughout this land, ・・・

長いので途中まででやめるが(ここまで写すのもしんどかった)、池澤訳はこうだ。
子ども向けに、漢字には総ルビがふられている。

<私たち日本人は、国を動かす基本の力は国民みなが持ち寄って生まれるものであることを、まず宣言する。
私たちはこの考えの上に立ってこの憲法をしっかりと制定した。これは世界の国々と協力して作ってゆく平和な暮らしや、この国にゆきわたる自由の喜びを私たちが失うことがないように、また政府のふるまいのために恐ろしい戦争が再びこの国を襲うことがないようにと考えた上で、自分たちできちんと選んだ代表が集まる国会を通じて、自分たちと後の世代のために、決めたことである。>

理想主義的とも言える内容だが、敗戦後の日本の民の解放感のような気持ちが、この訳文だとよく伝わってくる。
池澤さんが言うように、「この新しい憲法を日本人は熱烈に歓迎した」のだろうな。

学校で、この池澤さんの本(翻訳)を使って、子どもたちに憲法のことを学んでもらうといいのにな、と思う。

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コメント

英語は論理的で、憲法だけでなく聖書なども日本語訳よりもずっと意味が分かります。それにしても、理想主義といわれようと、憲法第9条ほど素晴らしい内容のものは無く、それをなぜ改悪しなければならないのか分かりません。

投稿: 玄柊 | 2005年11月 8日 (火) 23時19分

憲法だけでなく、聖書も日本語訳より英語の方が意味がハッキリと分かります。つまり、英語は曖昧さを廃した論理的構造を持っているんでしょうね。憲法第9条、わたしはあの内容は大好きで、なぜ改悪しようとする人がいるのかわかりません。

投稿: 玄柊 | 2005年11月 8日 (火) 23時22分

やまおじさん、インターネットの調子が悪く、同じ内容のものを入れてしまいました。削除!!お願いします。

投稿: 玄柊 | 2005年11月 8日 (火) 23時28分

玄柊さん>
同じ内容の投稿が5件ありましたので、そのうちの4件を削除しておきました。

投稿: やまおじさん | 2005年11月 9日 (水) 06時12分

やまおじさん、お手数かけました。ありがとう。

投稿: 玄柊 | 2005年11月 9日 (水) 11時36分

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