【読】メイキング・オブ・・・
面白そうな本をみつけた。
その名も 『世界文学を読みほどく』。
著者は池澤夏樹。 新潮選書、2005年1月15日発行。
445ページの大部である。
2003年9月に行なわれた京都大学文学部の夏季特別講義の講義録。
7日間、午前と午後に分けて14回の講義。
19世紀、20世紀の欧米の長編小説10篇を対象にして、作品論というか小説論というのか、とにかく池澤さんならではの鋭い切り口による文学論といったものらしい(というのも、まだ読んでいないので)。
扱われている10篇は
スタンダール『パルムの僧院』、トルストイ『アンナ・カレーニア』、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』、メルヴィル『白鯨』、ショイス『ユリシーズ』、マン『魔の山』、フォークナー『アブサロム、アブサロム!』、トウェイン『ハックル・ベリ・フィンの冒険』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』、ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』
・・・だそうだ。
自慢じゃないが、どれ一つとしてまともに読んだものはない。
『カラマーゾフの兄弟』は苦労して最後まで読んだっけ?
『魔の山』も初めのほうで投げ出したし・・・。 題名すら知らなかった小説もある。
でも、池澤さんの講義なら聞いてみたい(読んでみたい)と思う。
じつは、この本に、自著の『静かな大地』の〝メイキング・オブ・・・〟の講義録が入っている。
今日、買ってきた動機はそれ。
気になっていた、この小説のモデルについても、知ることができた。 ここには書かないけどね。
『静かな大地』の読中日誌みたいなものを書き続けていたが、一つだけ後ろめたいことがあった。
それは、小説からの引用という範疇を超えた、引き写しが多かったこと。
面白さを伝えようとすると、どうしても原文をそのまま書くしかなかった。
(引き写すしかなかった最大の原因は、ぼくの文章力のなさなのだが・・・)
著作権の考え方からすれば、度が過ぎた「引用」だったと反省しているのである。
池澤さん、ゴメンナサイ。
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コメント
最近本を買わないようにしていますが、誘惑の手が伸びました。この手の本にはめっぽう弱い。やまおじさんに比べれば、いわゆる名作は、迷作も含めて読んでいる方、しかも池澤夏樹、この本の存在を私が今まで知らなかったことにも驚くばかり・・・やまおじさんありがとう。
今日は午前中仕事ですが。午後にでも本屋へ行ってみます。
投稿: 玄柊 | 2005年11月 3日 (木) 07時29分
みごとに玄柊さんのストライクゾーンに絶好球を投げ込んだ、というところでしょうか(笑)。
いやいや、ヒットしてよかった。
ぼくも、図書館から借りてみようかと思ったものの、待ちきれなくて本屋で買ってしまいました。
今年出た本なので、大きな書店(新潮選書を置いている店)に行けばあると思います。
1600円と、ちょっと値は張りますが、この厚さからみれば(445ページ、3センチ)割安感はあります。中味も面白そうですしね。
投稿: やまおじさん | 2005年11月 3日 (木) 08時28分
この本、読み始めているところです。
さすが、池澤さん。 面白いです。
投稿: やまおじさん | 2005年11月 4日 (金) 23時00分