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2006年1月30日 (月)

【読】民族学と文化人類学

一週間ほど前に紹介した本
→【読】雑学・うんちく
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2006/01/post_cb32.html
の姉妹編。
こっちが「姉」で、まえに読んだのが「妹」。

minzoku2『100問100答 世界の民族』  「月刊みんぱく」編集部 編
 河出書房新社 1996年

冒頭、民族学と文化人類学はちがうのか? 民俗学とのちがいは?
というはなしがあって、面白かった。
世界の民族の文化を研究する学問を、ヨーロッパではエスノロジーという。エスノ=民族、ロジー=学問。
これを文字どおりに訳したのが「民族学」だ。
おなじ学問をアメリカでは、カルチュラル・アンソロポロジーとよんできたという。
これを直訳して「文化人類学」。
なーんだ、おんなじじゃん。カッコつけてるだけだ。

では、おなじ「ミンゾクガク」でも「民俗学」とはどうちがうのか。
英語で「民衆の知識」「民間伝承」のことを、フォークロアという。
(民潭、なんてことばもあったナ)
学問の名まえとして日本語訳したのが「民俗学」。

どうも、英語の方が的確で、日本語訳は苦肉の策という感じもする。
明治の人たちは、欧米の言葉を日本語に訳すのに苦労したのだろうが、妙な漢語にしてしまったものが多い。

ところで、この本の内容も、なかなか面白いのだ。

 「かごめかごめ」の鳥の意味は
 ショッツルなどの日本の魚醤はどのように使われているのか
 ほうきが長居客退散のまじないに使われてきたのはなぜか
 右マンジと左卍はどう違うのか
 「マンダラ」とは本来どういう意味か
 「邪視」とは何か
 なぜイヌイットはクジラを食べるのが許されるのか
 女性はいつからズボンをはくようになったのか

・・・等々。
どうでもいいようなことばかりかもしれないが、やっぱり「目から鱗がおちる」のだ。

「かごめかごめ」については・・・「わらべ歌にかぎらず、歌というものは、うたいやすくまたおぼえやすく構成されることによってひろまっていく」と述べ、歌詞をそのまま解釈しようとする愚をいましめている。
語呂あわせ、掛詞(かけことば)、物づくし、などのことば遊びの要素もあるというのだ。

「かごめかごめ」 → 「籠のなかの鳥」(かごの音の繰り返し効果)
「かごめ」 → 「カモメ」 → 「鳥」(籠のなかにいる鳥への連想)

「つるとかめがすべった」は、「つるつるつっぺった」とうたわれることもある、という。
18世紀ころの江戸では、こううたわれていたそうだ。

 かごめかごめ 籠のなかの鳥は いついつでやる
 夜あけの晩に つるつるつっぺった
 なべのなべのそこぬけ
 そこぬいてたもれ

「うしろの正面だあれ」とは、輪のなかの鬼に人の名をいわせるための問いかけだが、この遊びは、神託を得るために巫女を神がかりにさせる信仰行事、たとえば神楽舞にみられる行為を模倣して生じたものである。
・・・なんて、タメになることも書いてあるのだ。

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コメント

私は手が出ない方面の本ですが、確かに「目から鱗」のかんじですね。
知っているようで知らないことばかり、後何年生きてもこんなもんでしょうね。

投稿: 玄柊 | 2006年2月 1日 (水) 11時23分

「知識」よりも「知恵」がたいせつとは思いますが、知る楽しみ、というのもあります。
雑学が好きです。
自分という人間も「雜」ですが・・・。

投稿: やまおじさん | 2006年2月 1日 (水) 22時26分

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