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2006年1月29日 (日)

【読】暦ってなんだ?

きょうは、旧暦の正月(元日)。
『世界の民族生活百科』 (河出書房新社、「月刊みんぱく」編集部 編)という本に、興味深い記述があった。
暦(こよみ)に関するものだ。

世界にはたくさんの暦があり、それぞれ、紀元とよばれる起点がある。
今年は、それぞれの暦で下のようになる。
(実際にインドネシア・バリの1999年のカレンダーに記載されているというものを基準にして計算した)

・西暦2006年(キリスト誕生が紀元だが、ほんとうのキリスト誕生は紀元前4、5年という説あり)
・仏暦2549年(釈迦の入滅を紀元とする)
・皇紀2666年(神武天皇即位年が紀元)
・イスラーム(ヒジュラ)暦1426年
(ムハマンドが信者をつれてメッカからメディナへ移ったヒジュラ(聖遷)が紀元)
・中国系暦2556年(孔子の誕生が紀元)
・ユダヤ暦5767年(天地創造が紀元)

いまの日本では、和暦では不便なことが多いので西暦を使うことが多いが、これとて、キリストの生年があやふやなものだとしたら、絶対的な基準ではないことがわかる。
欧米中心の「西洋文明」に疑問を感じているぼくとしては、ひそかにほくそ笑んでいるのである。

話がそれるが、船戸与一という、ぼくが敬愛する作家がいる。
船戸さんの小説にも、欧米中心の世界への「異議申し立て」が感じられる。

hunado-ezochi『蝦夷地別件』 船戸与一 1995年 新潮社
アイヌ民族の伝統的な意識では、季節は夏と冬のふたつで、それぞれが一年だったというはなしを何かで読んだことがある。
この小説で、彼らの月の呼び名が章のタイトルとして使われている。その一部を紹介すると・・・

「地の譜」
 天明八年戊申十二月 西暦1789年1月
 シャクシャイン戦争後119年川の瀬も凍る月
「火の譜」
 寛政元年己酉五月 西暦1789年6月
 シャクシャイン戦争後120年浜茄子をすこし取る月
「風の譜」
 寛政四年壬子九月 西暦1792年10月
 シャクシャイン戦争後123年足が冷たくなる月
・・・といったぐあいだ。

hunado-chronicle『砂のクロニクル』 船戸与一 1991年 毎日新聞社
この小説のプロローグは、「飾り棚のうえの暦に関する舌足らずな注釈」というもの。
バビロニア暦、大インカ暦、フランス革命暦、ロシア皇帝暦、など、消滅した暦についてふれた後、今日、ほぼ世界じゅうで通用している「グレゴリオ暦(西暦)」が使われていない(船戸さんの表現では「完全侵食されていない」)広大な地域(中東イスラム圏)がある、と述べている。
この小説は、イランを舞台にクルド族の独立運動を核にした冒険小説。

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