【読】哲学的落語家
平岡正明が書いた 『哲学的落語家!』 という本を読んでいる。
桂枝雀論である。平岡正明 『哲学的落語家!』 筑摩書房 2005.9.20
(帯より)
俺が落語に目覚めたのは数年前だ。
志ん生・文楽から現在の若手までをヨーイ、ドンで聞いた。
最も衝撃を受けたのは「彼」。
どえらい上方落語の爆笑王だ。
「彼」の思想性の大きさよ。・・・
平岡正明の文章が好きだ。
彼の「思想」には、素直にうなずけない点もあるけれど、スイングするような文体と、博覧強記ぶりには舌をまく。
この枝雀論も、なかなか興味深い内容。
昨年の暮に見つけた本だが、例の難解小説(フォークナー)にやられていたので、手をつけられずにいた。
フォークナー? あれは、結局、投げ出してしまった。
平岡氏は、枝雀のナマの高座を見ることができなかったという。
えっへん。 こちとら、やや遅れてきたファンではあるが、枝雀の高座をいくつも見ているのだ。
などといばってみてもしょうがないが。
この本を読んでいると、ひさしぶりに、枝雀の音源や映像にふれたくなってしまった。
狂気と紙一重、たぐいまれな天才落語家だったと思う。
※詳しくは、このブログの「演芸日誌」
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat4959131/index.html
をご覧いただきたい。
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コメント
平岡という人のことは良く覚えていませんが、割と政治的なものをよく書く人でしょうか。調べてみます。
投稿: 玄柊 | 2006年1月 7日 (土) 22時26分
平岡正明は、守備範囲の広い評論家です。
本人は「思想家」だと言っていますが。
この本の著者略歴によると・・・
1941年、東京本郷生まれ。
横浜・野毛をホームグラウンドとする全身評論家。
(中略)
革命・犯罪・ジャズ・歌謡曲・浪曲・映画・文学・・・
あらゆる分野を対象に脱領域的な批評活動を展開。
とあります。
極真空手の猛者でもあるようです。
この人の書いた本は、何冊か読みました。
ぼくの本家サイトの「資料蔵―人名編」で紹介しています。
http://yamaoji.hp.infoseek.co.jp/kura.html#hiraoka
投稿: やまおじさん | 2006年1月 7日 (土) 22時35分
詳しい説明をありがとう。本当に守備範囲が広いですね。百恵さんの本、ちょっと興味があります。
投稿: 玄柊 | 2006年1月 9日 (月) 08時11分