【読】辞典・事典
辞典、事典のたぐいが好きで、ついつい買ってしまう。
「北海道大百科事典」(北海道新聞社) という上下2冊の事典が前から欲しかったが、ウン万円もするものなのであきらめていた。
ところが、友人のところにこれがあり、聞くと古本で手に入るという。
ネット検索してみると、楽天で2冊5000円ぐらいだったので、注文してしまった。
そういえば、昨日、古本屋(BOOK OFF)で、「広辞苑(第四版)」がなんと105円だったので、買ってしまった。
広辞苑を持っていなかったので、ちょうどよかった。
少し古い版(1991年)だが、かまわないのだ。
それにしても、天下の広辞苑が105円(税込み)とは・・・感慨ぶかいものがある。
きょうは、新刊書店で、おもしろい文庫本をみつけた。
『日英語表現辞典』 最所フミ 編著 ちくま学芸文庫 2004年
かんたんに言うと、英和辞典と和英辞典を一冊にしたものだが、普通の語彙を収めたものではなく、実用的というか、かなりユニークな内容だ。
著者は、1908年生まれ、1990年没、明治生まれの女性。
津田英学塾(現津田塾大学)を卒業後アメリカに留学し、帰国後、NHK国際局、朝日新聞社、外務省渉外部嘱託、日本リーダーズ・ダイジェスト社、JAPAN TIMESの英文による映画評論などの仕事をした、英語のプロ。
この本の面白さは、
「英語による思考法は日本語の思考法とはまったく別のプロセスを経て機能する」
(著者はしがき)
という考えに基づいて、英単語・熟語の意味(英和の部)、日本語独特のことばや言い回しの英訳(和英の部)を、盛り込んでいるところにある。
一例をあげると、
package / baggage この2つは両方とも「小包」とか「荷物」とか訳されているが、
使うほうの側からみてこれほど違った意味に用いる言葉も珍しい・・・という。
Here's a nice package. 「ここに結構な小包がある」ではなく、
「きれいな女の子だな」 ということだそうだ。
要するに、packageとは好ましいものをたくさんcompactにまとめた「小包」であり、
baggageはその正反対。
女のことを that baggage といえば「無価値な性悪女」の意、いわゆる「とんだお荷物」となる。
女性差別、ともいわれそうな記述だが、初版が1980年なので、大目に見てあげたい。
このように、とても面白い辞典なのだ。
| 固定リンク
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】2022年6月に読んだ本(読書メーター)(2022.07.01)
- 【読】服部文祥さんの書評本(2022.06.14)
- 【読】2022年5月に読んだ本(読書メーター)(2022.06.01)
- 【読】桐野夏生 萌え!(2022.05.19)
- 【読】2022年4月に読んだ本(読書メーター)(2022.05.01)
「こんな本を手に入れた」カテゴリの記事
- 【読】五木さんの桐野夏生評(2022.03.21)
- 【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)(2019.12.28)
- 【雑】紅梅、ほころぶ(2018.01.10)
- 【歩】小春日和、図書館で過ごす(2017.11.29)
- 【読】ようやく読んだ「火花」(2017.03.17)
コメント
ほう、ついにあの辞典を注文しましたね。「日英語表現辞典」・・うーん、やまおじさん以上に辞典に興味或る私はこれも手に入れそうです。最近は、短歌、俳句辞典やら書道辞典も手に入れています!!
投稿: 玄柊 | 2006年1月10日 (火) 23時11分