【読】優柔不断と貧乏性
いつまでもへこんだままではいられないので、肩のこらない本を読んでいる。
日曜日に近くの図書館から借りてきた。赤瀬川原平 『優柔不断術』 ちくま文庫 2005年3月
(カバー裏のコピーから)
何かものごとを始めようとする時、ああしようか、こうしようかと一つ一つ丁寧に考えていると「ぐず」だと言われる。 いきなり「こうだ!」と決めると「男らしい」と言われたりする。 本当にそうなのか?決断こそが素晴らしいのか?
優柔不断でいじゃないか!
優柔不断万歳!!
赤瀬川さんお得意の「どーでもいいようなこと」を、しつこく追求する本である。面白い。
「とりあえずビール二本ぐらい・・・」問題。
飲み屋で聞かれるこのセリフ。
なぜ「とりあえず」なのか、「二本ぐらい」の「ぐらい」が持つ深い意味は? から始まって、優柔不断というモンダイにアプローチしてゆき、あとはもう痛快・赤瀬川原平ワールド。
「チャウンチャウ」というのが、おかしい。
大阪、関西の言葉で、「○○とちゃうか?」「○○ちゃう?」というのがある。
さらに発展?すると、「ちゃうんちゃう?」(違うのと違うか?)と、まことに婉曲というか面白い表現になる。
このあたりの考察が、もう、腹をかかえるほど面白い。
「迷い箸」
「まあそのことについては、いずれまた日を改めて」
「またお会いする機会もあることですから、おいおい・・・」
「それはここで速断せずに、もう少し煮詰めて」
・・・といった、ふだんよく目にする優柔不断さをプラス評価する。
例の「老人力」と同じ考え方である。
この本の後半、「ぼくの優柔不断は天然だった」では、「貧乏性」にはなしが広がって、いろいろ面白いことが書いてあり、貧乏性のぼくとしては、身につまされるというか、そうそうその通りとうなずくことが多いのだが、それはいずれまた日を改めて・・・。
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コメント
家の奥さんはこの人の顔が嫌いらしい。しかし、文章を読んでいると愛すべき人だと言うことが分かってくる。でも、優柔不断な私、この本を知りませんでした。
投稿: 玄柊 | 2006年2月 2日 (木) 23時04分