【読】プリクラ
ちかごろ、もの忘れがひどい。
人の名前やモノの名前が、とっさに出てこないことが多い。
年齢のせいだろうな。
吉本隆明さんの 『老いの超え方』 という本をあらためて手にとってみて、カバーの写真の具合が何かににていると思った。
まるで、ほら、あの・・・なんていったっけ?
こどもたちがよくやる写真。 シールになるやつ。 あれだよ、あれ。
という具合に、家人とふたり協力しあって思いだそうとしても、名前が出てこない。
考えること数分。
プ・・・ プラ・・・ プリ・・・ プリクラ!一枚一枚の写真が、ちょうどプリクラのシールを貼りつけたようなぐあいで、微妙に浮きあがっているのだ。 なにやらほほえましい。
なかなか凝った装丁の本である。
今日から読み始めた。
読みやすいので一日で半分ぐらい(120ページほど)読みすすんだ。
1924年(大正13年)生まれ、82歳かぁ・・・。
そうとうあちこち、お体の具合は悪いようだが、いたって元気な方だ。
ただ、近年の著作(注)にも見られる「同じことを繰り返し言う」ところがあって、ちょっと気になる。
壊れたレコードみたいに・・・というのは言いすぎだけど。
それでも、思想の芯がしっかりしている方だから、学ぶところは多い。
なによりも、ご自身の現在進行系の「老い」について、尽きることなく語っているところが、とても参考になる(身につまされる、と言ってもいいかな)。
ひさびさのヒットである。
(注) 『戦争と平和』 吉本隆明 (文芸社 2004年8月発行)
この中に、1995年の講演録があり、吉本さんの言いたいことはとても明解なのだが、言いまわしにくり返しが多く、苦笑した。
ただし、とても強烈な印象を受ける講演内容だ。
1995年3月10日、吉本さんの母校である都立化学工業高校での講演。
この年は戦後50年であり、阪神・淡路大震災の直後でもある。
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