【演】子の千三百六十五番
ひさしぶりの演芸日誌にもかかわらず、既出のネタでもうしわけない。
このタイトルだけで、落語好きの方ならニヤリとするはず。
宝くじがまたはずれた。
狙いは一等六千万円。
出資額1600円。
売れ残りの最後の8枚(1枚200円)に賭けたのだが、世の中そう甘くはなかった。
それでも、1000円と200円が当たっていたので、よしとしよう。
「子の千三百六十五番」のハナシだった。
上方落語「高津の富」(こうづのとみ)である。
めんどうなので、あらすじは本から引用しよう。
相羽秋夫著 『現代上方落語便利事典』
(少年社・1987年)から引用
高津の富(こうづのとみ) 古典
百万長者とふれこみの男が、宿屋の亭主に高津神社の富くじを買わされ、虎の子の一分までとられてしまう。 大ぼらを吹いた手前、そのくじが当たったら半分は亭主にやると約束。
翌日、高津にやってきて、当たりくじを照合すると、何と一等の千両が当たっているではないか。(以下略)
高津神社は、大阪市南区高津町に現存する。東京では「宿屋の富」と名を変える。
当たりくじを照合するくだりに落語のリアリズムが冴える。
ぼくは、桂枝雀の演ずる音源が好きだ。
何種類かの録音があるが、なんといってもこれだ。
桂枝雀 『枝雀十八番』 東芝EMI(TYX-90098-106)
(桂枝雀 六日間連続独演会)
昭和56年(1981)10月1日~7日(4日は中入)
大阪サンケイホール
この噺のクライマックスは、一等千両が当たっているのになかなか気づかない(当たるはずなどないという思い込みから)「一文無しのからっけつおやじ」が、何度も何度もじぶんの富札の番号を確認するくだり。
しかし、その前段の、二等が絶対俺に当たると言い張る別のおやじのひとり芝居(二等の五百両が当たったらこうする・・・)の部分だ。
枝雀のこの録音では、「日頃念ずるビリケンさんの夢のお告げ」で二等はワイに当たる、というクスグリがたまらなく好きだ。
ぼくも、一等六千万円が当たったあかつきのことを夢みていた数日間だったが・・・。
はかない夢。
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コメント
私も先月、3億円宝くじに18枚・・円を投じました。戻ったのは600円、こちらの方が運は悪いですね。桂枝雀にこのようなものがありましたね。以前、テープを送って頂いたはずです。
投稿: 玄柊 | 2006年7月 8日 (土) 22時16分
なかなか一攫千金というわけにはいかないですねぇ。
投稿: やまおじさん | 2006年7月 9日 (日) 12時46分