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2006年9月29日 (金)

【読】金子光晴と山之口貘

Kaneko_mitsuharu_1金子光晴 『絶望の精神史』 (講談社文芸文庫)を読んでいる。
本のタイトルはなにやらいかめしいが、自伝エッセイである。
面白い。
この中に、山之口貘についてふれた箇所があって、うれしかった。
金子光晴がパリから帰国した頃のこと。
<僕は、一年ほど、つれこみ宿にがんばっていたが、・・・。(略) そんな僕のところへたずねてくる者もなかった。 ただ、長崎以来の古なじみの正岡容と、偶然、南千住の泡盛屋で知り合いになった山之口貘が、ときどきやってきた。
山之口貘は琉球から来た男で、ありとあらゆる下賎と言われる職業をうつり歩いていた。 そのときは両国のビルの地下室に寝起きして、・・・。 (略) そのまえには、土管のなかに住んでいた。 日本の詩とは縁が遠くなった僕も、彼の詩だけは、身につまされて理解できた。> (『絶望の精神史』 P.139)

Bakusan茨木のり子 『貘さんがゆく』 (童話屋/1999年)
<昭和八年ごろ、貘さんは南千住の泡盛屋(沖縄の酒を売る店)の、「国吉真善」で、はじめて金子光晴に出会いました。
金子光晴もまた、放浪詩人というにふさわしく、ヨーロッパ・東南アジアを五年近くも無一文で歩きまわってきたばかりでした。 光晴は長い放浪の旅で、国籍だの学歴だの、そんなものがいかにくだらないかを骨身にしみてさとっていました。 かれはただ個人としてのはだかの人間しか認めようとしなかった人です。
光晴は、はじめて会った貘さんのなかに、よき人間、すぐれた詩人、いわば「人間のなかの宝石」をひとめでまっすぐ見ぬいたのでした。> (P.42~43)

いい話だな。 この茨木のり子さんの語り口も、また、いい。
この二人の詩人(金子光晴、山之口貘)の詩を好み、歌にしたのが高田渡さんだ。
高田渡さんも、彼らに通じる資質をもった人だったと思う。

Baku_1Baku_2高田渡 『貘 詩人・山之口貘をうたう』
 1998年 B/C RECORDS
ぼくの愛聴盤。

ぼくのWEBサイト 「晴れときどき曇りのち温泉」 に書いているので、興味を持たれた方はご覧ください。
http://yamaoji.hp.infoseek.co.jp/m_wataru_baku.html


010819manazuru2001年8月19日 真鶴海岸
ぼくの高田渡体験は「おくて」だった。
はじめてライブで目にしたのが、この野外会場。
この後、上々颱風のステージがあった。
なつかしいな。

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コメント

本当の自由人とはこのような人々を言うのでしょうね。

投稿: 玄柊 | 2006年9月29日 (金) 22時48分

>玄柊さん
さっそくのコメント、ありがとう。
じつはまだ書きかけだったんです。
高田渡さんのライブ写真(5年前)も掲載しました。

投稿: やまおじさん | 2006年9月29日 (金) 22時52分

「獏」私にとっても大切な愛聴盤です。
あの真鶴のコンサートは忘れることが
出来ません。良いコンサートでしたね。

投稿: かめちゃん | 2006年9月30日 (土) 21時43分

>かめちゃん
おひさしぶりです。
真鶴にいらしたんですね。
同じ会場にいたはずなのに、当時はまだ、お互いに見ず知らずでしたね。
ぼくは、あの年に上々颱風に出会ったばかりで(遅れてきたファン)、7月の七夕ライブに続く二度目の上々ライブ参加でした。
高田渡さんのライブも、あの時が初めてでした。
ずいぶん前のように思えますが、まだ5年しかたっていないのかぁ・・・。

投稿: やまおじさん | 2006年9月30日 (土) 22時12分

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