【雑】増殖する俳句歳時記
こんなサイトがある。
清水哲男 「新・増殖する俳句歳時記」
http://zouhai.com/
このサイトが、岸本完司 著 『晴読雨読日記』 (P.181/P.242) に紹介されている。
その文章の一部を抜粋、引用してみよう。
= 電子メディアの現在形(4) = (P.181) から引用
<今回は日本の、それもとびっきり日本語の美しさが楽しめるページを紹介しよう。インターネットや電子メディアで何ができるかというテーマはたしかに宏壮にすぎるが、そんなことを考えるとき、ささやかな勇気とヒントを与えてくれるサイトでもある。
詩人でFM東京のキャスターだった清水哲男が主宰する「増殖する俳句歳時記」がそれ。・・・いつも思うことだが、専門俳人の評と違って、詩人らしい自由で感性の豊かな解釈が新鮮だ。・・・>
= くいしんぼう歳時記(1) = (P.242) から引用
<関西のお好み焼きの名店というのは、客に焼かせたりしない。生地広げるのも、返すのも、ソース塗るのもみーんな、店主がやる。こっちがへたに手を出そうもんなら、どなられるのだ。「いろうたら、あかん!」。うーん、お好み焼きにこだわりのない私としては客に勝手にさせてくれる方が好きですね。
行く春のお好み焼きを二度たたく (松永典子)
でないと、こんな句は出てこない。焼き上がりをポンポンとへらでなぜか叩く。・・・「行く春」という季語も効いている。「木枯らしや」では侘しいし、「虎落笛(もがりぶえ)」では凄絶というか、なんか近寄りがたい雰囲気になる。・・・以前にも紹介した清水哲男『増殖する俳句歳時記』から食べ物の俳句を紹介しました。>
こんな感じだ。
岸本完司の文章は、ネットの世界のおもしろさに気づかせてくれるし、読んでおもしろい。
紹介されている 「増殖する俳句歳時記」 も、俳句好きの方におすすめしたい興味深いサイトだ。
ちなみに、「虎落笛(もがりぶえ)」を辞書でひくと
冬の強風が柵や竹垣に吹きつけて発する笛のような音
(大修館書店 明鏡国語辞典)
「もがり」とは
竹を筋違いに組んで作った、さく
物干しに使う、枝の付いた竹
(三省堂 新明解国語辞典第五版)
| 固定リンク
「【雑】きまぐれ日誌」カテゴリの記事
- 【雑】ゆっくりと春から初夏へ(2023.04.24)
- 【雑】再録――歌はだれのものか(2022.12.26)
- 【雑】小松由佳さんのこと(2022.12.04)
- 【雑】小平図書館友の会のウェブサイト(2022.11.02)
- 【雑】ひとあし早い秋の空(2022.08.19)
「岸本完司」カテゴリの記事
- 【震】あさこはうす(2011.12.22)
- 【読】『晴読雨読日記』のこと(2008.05.10)
- 【読】静かな大地(花崎皋平)(2008.03.09)
- 【読】そういえば、村上春樹(2007.10.03)
- 【読】キリスト教的歴史観(2006.10.22)
コメント