【読】きょうの掘り出し物
岡崎武志さんの 『古本でお散歩』 (ちくま文庫) を読んでいる。これが、めっぽう面白い。
文章がじつにうまい。
文庫書き下ろしだが、短いエッセイを集めたものなので、電車の中で読むのにちょうどいいのだ。
ひとつひとつのタイトルが、また、ふるっている。
「青年は荒野をめざす」 「柔らかい肌」 「愛撫」 「大いなる幻影」 「岸辺のアルバム」 「コートにすみれを」 ・・・ことわっておくが、スケベな内容でも、映画や本や音楽のことでもなく、すべて古本、あるいは古本屋にまつわる話。
そんな中に、「ジャズ喫茶のマスターとしての村上春樹」 という一文があった。
国分寺でジャズ喫茶兼酒場をやっていた頃の村上春樹のエピソードで、とても興味ぶかい内容だった。
自慢じゃないが(自慢にもならないが)、ぼくはこれまで、村上春樹の本を読んだことがなかった。
いまや、ノーベル文学賞の候補にもなっている世界的な作家だが、なぜか敬遠ぎみだったのだ。
先のブログの投稿でも紹介した、岸本完司 『晴読雨読日記』 を読んで、著者の岸本が村上春樹をよく読んでいたことを知った。
やつがそれほど入れ込んでいた村上春樹を、読んでみようかと思っていたところへ、この岡崎さんの一文。
縁とは不思議なもので、きょうの昼休み、勤め先の並びにある「BOOK OFF」をのぞいてみたら、気を引く装幀の本が目についたので棚から抜き出して手にとってみた。
もっと有名な小説も並んでいて、いずれ読んでみたいと思うのだが、なぜかこの2冊にひかれたのである。
岡崎武志さんも言っているが、古本は出会ったときに買うべきだと思い、瞬時の迷いをたちきって購入。 2冊で1000円。
どちらも、安西水丸さんの絵がふんだんに入っていて、楽しい。
左は、ケース入りの洒落た装幀だ。
村上春樹
『村上朝日堂超短編小説 夜のくもざる』
平凡社 1995.6.10 初版1刷
『辺境・近境』 新潮社 1998.4.23発行 1998.5.15 2刷
※ 岡崎武志さんの 『古本でお散歩』 に、高円寺の古本酒場 「コクテイル」 が紹介されていて、おもわずニンマリ。
前にも書いたが、須藤もんさんがこの小さなお店でライブをしたことが二度ある。
店主の狩野さんは、「料理のほとんどが、まだ若き狩野さん(男前!)の手のよる」 と紹介されている御仁。
この狩野さんの文章も、ぼくは好きだ。
古本酒場コクテイル (このサイトがまた洒落ている)
http://koenji-cocktail.com/
古本酒場コクテイル 店長日記 (公開ブログ)
http://blog.livedoor.jp/suguru34/
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コメント
村上春樹は、同世代の才能ある作家ですね。やまおじさんの好みかというと、違うだろなどと想像していますが、私はかなり昔から読んでいます。翻訳も含めてエッセイまで殆ど持っています。肝心の岡崎さんの「古本でお散歩」の方を読んでいないので探してみます。
投稿: 玄柊 | 2006年10月 6日 (金) 09時00分
>玄柊さん
村上春樹は以前から読んでみたかった作家です。まあ、そのうち読んでみます。
岡崎武志さんの本は、おすすめですよ。
投稿: やまおじさん | 2006年10月 6日 (金) 21時33分