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2007年1月14日 (日)

【読】赤坂憲雄さんの柳田国男論

先日、地域図書館から借りてきて読みはじめた本。
読みはじめるまでは、ちょっと腰が引けたのだけれど、これがおもしろい。
勢古浩爾さんの言葉を借りれば、「根性」が入っているのである。


Akasaka_yanagita_yamaAkasaka_yanagita_hyohaku赤坂憲雄
『山の精神史 柳田国男の発生』 1996年
『漂泊の精神史 柳田国男の発生』 1997年
(共に小学館ライブラリー)

 

もう一冊
『海の精神史 柳田国男の発生』 2000年
http://skygarden.shogakukan.co.jp/skygarden/owa/solrenew_detail?isbn=4093873283
をあわせて、三部作ということらしい。
(この本も図書館にあったが、さすがに読みきれない)
以前から気になっていた本なので、とりあえず2冊借りてきた。
二週間じゃ読めないので、たぶん貸出延長だなぁ。

重要なことではないが、赤坂さんは小平市在住らしく、図書館の「市内在住者コーナー」という書棚にその著作があった。そういえば、椎名誠氏も小平在住だったっけ。

【ちょいと註釈】
「根性」という言葉が誤解されるといけないので、勢古さんがこの言葉をどういう文脈で使っているか書いておこう。
<・・・論理がその力をもつためには、論理に根性が入っていなければならない(わたしは以前はこの「根性」という言葉がきらいであったが、いまでは相当偏愛している)。それが思想である。その論理の根性を知るための好個の例として、ここで二冊の本を紹介しておきたい。>
その二冊目の紹介。
<もう一冊は、シモーヌ・ヴェイユの『重力と恩寵』(ちくま学芸文庫)である。この本は本書で引用した本や推薦書のなかではもっとも難解(後出の『「正法眼蔵を読む』と双璧か)であるかもしれない。カントやヘーゲルのようにチンプンカンプンというのではなく、ヴェイユがなぜそのように考えるにいたったかという思考の基盤とその道筋がひどく辿りにくいのである(論理が徹底的に隠され、根性だけが残っている)。・・・>
 ― 勢古浩爾 『自分をつくるための読書術』 ちくま新書 P.97~99 ―
ぼくはこの部分を読んで、いつかヴェイユの『重力と恩寵』にもトライしてみよう、などと無謀にも考えてしまった。

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コメント

赤坂憲雄さん、まったく守備範囲にない人でした。ヴェイユはなぜか心の奥底が見えてくる感じで好きですね。道元も難解ですが時々分かるような気持ちになるときがあります。

投稿: 玄柊 | 2007年1月15日 (月) 22時02分

>玄柊さん
赤坂憲雄さんの本は、いちどご覧になるといいと思います。
好きになるかどうかはわかりませんが。
『東西/南北考』(岩波新書)
『柳田国男の読み方』(ちくま新書)
が、ぼくには面白かった。
五木寛之との対談が『五木寛之 日本人のこころ6』(講談社)に収録されていて、これもおすすめです。

このブログに書いた『山の精神史』には、南方熊楠と柳田国男の確執についても触れていて、面白かったです。
ようやく2/3ほど読みすすみました。

投稿: やまおじさん | 2007年1月17日 (水) 21時20分

久しぶりに本を読もうかな。

投稿: てる吉 | 2007年1月19日 (金) 03時26分

>てる吉さん
コメント、ありがとさん。
そちらのブログも拝見してますよ。
もん吉ちゃんにヨロシク。
うちのカミサンが喜んでいました。
いつもお気づかい、感謝してます。

投稿: やまおじさん | 2007年1月19日 (金) 21時04分

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