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2007年1月20日 (土)

【楽】中島みゆきの歌のちから

ひさしぶりに、中島みゆきのベスト・アルバムをひっぱりだして聴いた。
Miyuki_best2中島みゆき 『 Best Selection II 』
 PONY CANYON 1992年 PCCA-00360

聴きなれた歌ばかりだが、あらためてその歌詞に感心した。
中島みゆきは詩人だと思う。
曲も歌唱も好きだが、ちょっとやそっとで真似のできない、どきっとするような歌詞がいったいどこから生まれるのか。
「黄砂に吹かれて」 という歌が収録されている。
1989年、工藤静香に提供した歌である。
(工藤静香という歌い手も、ぼくはきらいではない。いつも淋しそうだったが、キムタクと結婚してよかったと思う。いま、幸せかどうかは知らないが。)

きょう、中島みゆきが歌うこの歌を聴いてすごいなと思ったのは、つぎのような部分だ。
 ♪ あなたよりやさしい男も 砂の数ほどいるのにね ・・・
どこがすごいのかって?
ありきたりの歌詞じゃないか、というご意見もあるだろうが、ぼくは 「星の数」ではなく「砂の数」ということばを紡ぎだすところが、凡庸じゃないと思うのだ。
まあ、「黄砂」だから、「砂」なんだろうけど、こんな歌の世界はなかなか作れるものではない。

平凡なことばを使って、非凡な世界をイメージさせる歌が、ぼくは優れた歌だと思う。
ムズカシイことばを無闇につかった歌詞を、ぼくは好まない。
こどもでも知っていることばを組み合わせて、大人の想像力をかきたてる歌がいい。

前川清に提供した 「涙 -Made in tears-」 という歌もいい。
 ♪ メッキだらけの けばい茶店の隅っこは
  雨やどりの女のための ・・・
「けばいサテン」 なんて若者ことばを、こんなに効果的に使えることに驚く。
前川清による歌唱も聴いたが、やはりいいのだ。
前川清という才能に、中島みゆきの楽曲のちからが加わった相乗効果だろうか。

あまり引用すると、著作権法に触れるのだが(もうじゅうぶん触れてるかなぁ・・・)。
ちなみに、著作権法を遵守するなら、こういう場合はJASRACというところに届けて、お金を払わなければいけない(らしい)のだ。

「with」 という歌のなかの、つぎの部分にもどきっとした。
 ♪ 誰だって旅くらい ・・・
  でも、ひとりきり泣けても
  ひとりきり笑うことはできない ・・・

このベスト・アルバムのなかで、ぼくがいちばん好きなのが 「歌姫」 だ。
曲調もアレンジもいい。
 ♪ 歌姫 スカートの裾を
  歌姫 潮風になげて
  夢も 哀しみも 欲望も 歌い流してくれ
ここでも、「洗い流す」ではなく「歌い流す」という、ちょっとだけひねったことばの使い方がみごとだ。
「歌姫」 は中島みゆきという歌い手にオーバーラップする。
ちょうど、山崎ハコの「歌いたいの」という歌が、山崎ハコの姿と重なるように。

中島みゆきは、まさに「歌姫」と呼ぶにふさわしい、同時代のありがたい歌い手だ。
ぼくに勇気をくれる・・・。


【収録曲】
時代 / トーキョー迷子 / 涙 -Made in tears- / 春なのに / 黄砂に吹かれて / まつりばやし / シュガー / やまねこ / with / Maybe / あした / 歌姫 / 世情

「世情」 というカタイ内容の歌以外は、どれも好きだ。

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コメント

ふーん、やまおじさんが中島みゆきをなぜ評価するのかがよくよくわかりました。いつか、暇があったらダビングして送って下さい。(ずうずうしいです。反省します。今日にでも探してみます。)それにしても、やまおじさんは評論家だなあ。論理と明快な頭脳のない私には書けない文章です。

投稿: 玄柊 | 2007年1月21日 (日) 06時42分

>玄柊さん
いつもこんなことを考えながら音楽を聴いているわけではないのです。
たまたま昨日は、CD店で「宙船」という新曲の入ったアルバムを見たので(買わなかったけど)、ひさびさに古いアルバムを聴いてみて、感じたことを書いてみました。
ひとりごと、たわごと、のようなものです。

投稿: やまおじさん | 2007年1月21日 (日) 08時46分

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