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2007年2月17日 (土)

【読】文庫二冊

今週は、いい本を二冊読んだ。
ほとんど電車やバスの中で読んだのだけれど、活字が大きくて助かったな。

Minami_nobutaka『八重子のハミング』 陽(みなみ)信孝 著
 小学館文庫 2005.7 476円(税別)
  (単行本 2002.5 小学館)
みずから三度の癌手術から生還し、若年性アルツハイマー病に冒された奥様(八重子さん) を最後まで介護した、陽(みなみ)信孝さんの手記。

陽さんは、1939年山口県萩市生まれ。
30年間、教職に携わり、退職後は教育長などを歴任。
萩金谷天満宮の宮司もつとめ、山口県歌人協会理事でもある。
1991年胃癌が発見されたが、全摘手術が成功。
その頃から奥様の様子がおかしくなり、やがて若年性アルツハイマー病に冒されていることがわかる。
この本(2002年5月に単行本)が出版された直後、奥様は亡くなる。
文庫本には、「終章 かあさん、ありがとう」が追加されている。
随所に、陽さんの短歌(三十一文字のラブレター)が挿入されている。
 幼子に 帰りし妻の 手をとりて
   今も変わらじ 若き日のぬくもり
 ぬいぐるみ サンダルくつを 手に持ちて
   歌口ずさみつつ 妻は歩めり
題名の 『八重子のハミング』 は、アルツハイマー病がだんだん重くなっていく八重子さんが、最後まで歌に反応し、ハミングしていたことに由来する。八重子さんは、家庭科と音楽の教員をしていた。信孝さんとは職場結婚だった。

Ooyama_shirou『山谷崖っぷち日記』 大山史朗 著
 角川文庫 2002.8 495円(税別)
  (単行本 2000.7 TBSブリタニカ)
大山史朗さんは、1947年生まれ。
大学の経済学部を卒業しサラリーマンになるが続かず、転職を繰り返したあと工員生活などを経て、77年大阪西成で労務者になる。
87年から東京山谷に移り、ドヤ街のベッドハウスに住み、日雇い労務者として生活しながらこの手記を書いた(2000年、開高健賞受賞)。
この本は、勢古浩爾さんの 『ぶざまな人生』 という著書で知った。

また、上の 『八重子のハミング』 も勢古さんの 『新・代表的日本人』 に陽信孝さんがとりあげられていて、そこで知ったものである。
二冊とも感動的な本だった。

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コメント

勢古さんお本から派生した2冊、なかなかすごいですね。僕も探してみます。

投稿: 玄柊 | 2007年2月17日 (土) 23時23分

>玄柊さん
大山さんの『山谷崖っぷち日記』(角川文庫)は新刊では入手が難しいかもしれません(版元品切れ)。
旭川の図書館に、TBSブリタニカ版があると思います。
陽さんの『八重子のハミング』は、新刊で入手可能です。

投稿: やまおじさん | 2007年2月18日 (日) 11時28分

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