【読】詩人 石原吉郎
今週読んでいる本。多田茂治 著 『石原吉郎 「昭和」の旅』
作品社 2000.2.5
ずいぶん前に、デパートの古本市でみつけて買ってあったもの。 ようやく読みはじめた。
石原吉郎の詩といえば、すぐに思いうかぶのが、高田渡さんが曲をつけて歌っていた 「さびしいと いま」 だ。
さびしいと いま / いったろう ひげだらけの
その土塀にぴったり / おしつけた その背の
その すぐうしろで
(高田渡 『渡』 1993年 TOKUMA JAPAN)
石原吉郎 (いしはら・よしろう)
1915.11.11~1977.11.14 詩人
静岡県生まれ。 東京外語卒。
1939年、応召。 翌年、北方情報要員として露語教育隊へ分遣。 41年、関東軍のハルビン特務機関へ配属。 敗戦後、ソ連の収容所に。 49年2月、反ソ・スパイ行為の罪で、重労働25年の判決。 スターリン死去後の特赦で、53年12月、帰国。
(講談社文芸文庫 『石原吉郎詩文集』 より)
ちょっと想像を絶するシベリア抑留、強制収容所体験に、圧倒される。
海が見たい、と私は切実に思った。 私には、わたるべき海があった。
そして、その海の最初の渚と私を、三千キロにわたる草原と凍土がへだてていた。
(石原吉郎 「望郷と海」 より)
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コメント
石原吉郎は、私も感心のある詩人の一人です。シベリアの抑留は彼の詩の原点ですね。読み直してみます。
投稿: 玄柊 | 2007年2月28日 (水) 23時07分
>玄柊さん
今日、読みおえました。
ずしんとくる評伝でした。
この本の中で、香月泰男という、やはりシベリアで抑留・強制労働をして、帰国後「シベリア・シリーズ」の絵をえがいた画家にふれた箇所があります。
香月泰男の絵は、友人にすすめられて20代の頃、現物を見たことがあります。
立花隆『シベリヤ鎮魂歌――香月泰男の世界』(文藝春秋社)を、今日、書店でみつけて購入しました。
投稿: やまおじさん | 2007年3月 1日 (木) 20時59分
香月泰男は私も関心があります。そう言えば立花隆が彼に詳しかったですね。本も出していたのですね。
投稿: 玄柊 | 2007年3月 1日 (木) 23時25分
>玄柊さん
立花隆は、20代の頃から香月泰男さんと深いかかわりがあったようです。
立花さんの書いた本、いま読んでいますが、いずれブログで紹介するつもりです。
投稿: やまおじさん | 2007年3月 2日 (金) 19時52分