【読】流されゆく日々
五木寛之さんが夕刊紙(誌)「日刊ゲンダイ」に連載している、超ロング・ランのエッセイ。
この「流されゆく日々」の抄録が単行本になっていた。
知らなかったな。 大型古書店ですこしまえに発見し、入手した。
五木寛之
『流されゆく日々(抄) 1975~1987』
『流されゆく日々(抄) 1988~1995』
講談社 1995.7
版元品切れのようだが、Amazonなどではずいぶん安価で入手できる。400ページほどの分厚い本だ。
「日刊ゲンダイ」は、たまに買うことがあるだけだが、この連載エッセイはおもしろい。
そのエッセンスを集めたこの二冊、抄録ではあるが五木さんのアンテナの向きがよくわかって、興味深い。
巻末に索引があるのも、うれしい。
その索引から拾いあげてみると――
上巻 【人名】
<あ>青江三奈、赤尾兜子、赤塚不二夫、秋山庄太郎、秋山駿、芥川竜之介、明烏敏、赤倉敏博、麻田哲也、芦田伸介、蘆原英了、アゼフ、麻生れい子、穴穂部間人皇后、阿部薫、アベドン,リチャード、荒木経惟、アリ,ムハメッド(ホラ吹きクレイ)、有馬頼義、安全地帯、アンドロポフ、アントワネット,マリ。
「あ」だけでもこんなにある。
南方熊楠の次に、みなみらんぼう。 山口瞳、山口百恵、山崎ハコ、山下洋輔、と並んでいたりして壮観なのだ。
1975年10月からはじまった、この連載エッセイ。
1995年時点で、5000回近くになるという。
三年前(2004年)の5月には、連載7000回記念として、「五木寛之 論楽会」が東京・新橋のヤクルト・ホールで開かれ、ぼくも見に行ったのだ。
※このブログにも書いたことがある(2006年2月6日)。
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2006/02/post_33ee.html
この二冊、気がむいた時にひろい読みしている。
いま生きているこの時代も、アンテナの向きをすこし変えてみると、なかなか面白い時代なのだな、と思う。
| 固定リンク | 0
「【楽】音楽日誌」カテゴリの記事
- 【楽】ぼちぼちいこうか 2023年総集編(ライブ編=その他)(2023.12.27)
- 【楽】ぼちぼちいこうか 2023年総集編(ライブ編=西川郷子さん)(2023.12.27)
- 【楽】2023.11.5「星ノ飛ブ夜」ライブ(祖師ヶ谷大蔵「カフェムリウイ」)(2023.11.06)
- 【楽】ラブジョイ「妙」(2023.09.24)
- 【楽】それぞれの朝(星ノ飛ブ夜の名曲)(2023.09.17)
「五木寛之」カテゴリの記事
- 【楽】【読】五木寛之の夜 ふたたび(2023.05.04)
- 【読】いつも読みたい本ばかり(2022年総集編に代えて)(2022.12.25)
- 【読】五木さんの桐野夏生評(2022.03.21)
- 【読】かつての夕刊フジ連載エッセイ(2022.03.15)
- 【読】2022年1月に読んだ本(読書メーター)(2022.02.01)
コメント
この二冊、まさに出たときに買い、今も勿論持っています。特に、最初の方はタブロイド判の日刊ゲンダイが出たばかりの頃、電車で読んだものばかりで懐かしい。今の五木のような仏教への傾倒が強い雰囲気は想像も出来ませんでした。
こちらでも、BOOK OFFでは時々見かけていましたが、いくら好きでももう一度は手に入れませんでした。
投稿: 玄柊 | 2007年3月11日 (日) 15時45分
>玄柊さん
ご存知でしたか。
日刊ゲンダイというのは、面白い新聞ですね。最近は、ちょっとマンネリ化してきたようですが、五木さんの連載はいまなお健在でした。
仏教的なものへ傾斜は、幼年期の朝鮮半島での体験をずっと心に秘めてきたせいなのかな?という気もしますが。
投稿: やまおじさん | 2007年3月11日 (日) 22時10分