【読】石光真人
石光真清のご子息で、真清の手記(四部作)を編集した石光真人の編著作。『ある明治人の記録 会津人柴五郎の遺書』
石光真人 編著 中公新書 1971.5.25発行
柴五郎は、安政6年(1859)、会津若松の上級武士の五男として生まれた。 幕末・維新の会津戦争で祖母、母、姉妹を失い(自刃)、落城後、俘虜として江戸に収容、後に下北半島の火山灰地に移封されて、悲惨な飢餓生活を続けた。
脱走、下僕、流浪の生活を経て軍界に入り、藩閥の外にありながら陸軍大将にまでなった、という数奇な生涯を送った人物である。
石光真人は、この著作の「第二部 柴五郎翁とその時代」の冒頭で、次のように書いている。
<柴五郎翁の遺文に初めて接したとき、おそらく誰もが受ける強いショックを、私も同じように強く受けて呆然とした。 呆然としたというより、襟を正したというほうが適切かもしれない。 このショックから立ちなおって、「いったい、歴史というものは誰が演じ、誰が作ったものであろうか」と答えの与えられない疑問を持ったことも、私ひとりではないであろう。>
ずっと本棚に眠っていた本だったが、このたび読んでみて、強い衝撃を受けた。
ところで、船戸与一の新作 『満州国演義 1 風の払暁』 (新潮社)
→ http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_a737.html
を手に入れた。 昨夜、その冒頭部を拾い読みしていたら、この鶴ヶ城落城の悲劇が描かれていた。
とうぶん、この傾向の読書が続きそうな予感。
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