【楽】【読】アジアの片隅で
鶴見良行 『大地と海と人間 東南アジアをつくった人びと』 (筑摩書房)読了。「ふつうは大まかな政治史として書かれている『世界史』教科書を補う副読本くらいの役には立ちそうです」(あとがき)――どころではなく、そうとう突っ込んだ内容。
少年少女向けシリーズ(ちくま少年図書館)の一冊としては、高度な本だと思った。
マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン。
わかりにくい「東南アジア」のようすが、少しだけわかったような気がした。
言い古された言葉だが、「目から鱗」が何枚も落ちた。
この本を読み終えて、ふと、こんな歌を思いだした。
♪ アジアの片隅で 狂い酒飲みほせば
アジアの片隅で このままずっと
生きていくのかと思うのだが ♪ (吉田拓郎 「アジアの片隅で」)
♪ くにの名はEAST ASIA 黒い瞳のくに
むずかしくは知らない ただEAST ASIA ♪ (中島みゆき 「EAST ASIA」)
甘いな、と思う。
日本の、「フォーク」と呼ばれる歌の限界だろうな。
中島みゆきの方が、まだ少しだけ視野が広いと思うが、吉田拓郎となると・・・。
いや、拓郎もきらいではないのだが。
これらと比べるのはどうかとも思うが、上々颱風が歌うアジアは、もっと広々としていて気分がいい。
ロマンチックに過ぎるとも言えるが、アジアの人々とつながっているように思うのだ。
上々颱風のアジア公演の様子は、「ベガラシャガラ」というビデオ(及びレーザーディスク)で見ることができる。
『ベガラシャガラ 上々颱風』
ライヴあれこれ
(EPIC/SONY 1992年)
収録ライブ(の一部)
1990年 上々颱風祭り'90
1992年 タイ バンコックM88 / インドネシア チバユン村 / インドネシア ジャカルタTIMシアター 他
【追記 2007.6.26】
中島みゆきのアルバム 「EAST ASIA」を聴きなおしてみた。 スケールの大きさを感じる。 上に歌詞の一部を紹介したタイトル曲「EAST ASIA」も、じつは好きな曲ではある。 「世界の場所を教える地図は/誰でも 自分が真ん中だと言い張る/私のくにをどこかに乗せて 地球は/くすくす笑いながら 回ってゆく」 という歌詞は、やはり非凡だ。
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