【読】地図、今昔(続々)
今尾恵介さんの 『地図で今昔』 がおもしろくて、ここでもずいぶん紹介したが、ついに読み終えた。
この本の最後の章、「地図から歴史を読む」 に、奈良県の十津川村が紹介されている。
→心のふるさと 十津川村
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/cgi-bin/odb-get.exe?wit_template=AM040000
十津川村は、面積672平方キロ、東京23区を全部合わせたよりも広く、日本一広い村だという。
<雨が多く、急斜面の重畳たる山々の連なる紀伊山地のまん中にあり、奈良県全体の面積の5分の1ほどをこの村が占めていることになるが、人口は県人口のわずか300分の1である。 1998年(平成10)現在の人口は5143人だが、ここ10年ほどで一割ほども減ってしまっている。> (『地図で今昔』 1999年 P.213)
この村で、1889年(明治22)の8月に大きな自然災害が起きている。
滝のような豪雨が三日間降り続き、あちこちで土砂崩れが頻発。 谷あいの村を埋めて、流出した家屋426戸、死者168人(同じ十津川流域の上流にあたる大塔・天川の両村と合わせ)、被災者2600人を超えたという。 田畑も十津川旧六村(明治23年に六村が合併)の三分の一が流され、 「十津川崩れ」と呼ばれた。 (以上、『地図で今昔』から)
この災害に村の将来を悲観した被災者たちが、集団で北海道に渡り、樺戸の地にできたのが新十津川村(現・新十津川町)だ。
→新十津川町公式サイト
http://www.town.shintotsukawa.lg.jp/index.jsp
北海道に生まれ育ったわたしには、とても興味ぶかい話だった。
この「十津川崩れ」については、司馬遼太郎の『街道をゆく 12 十津川街道』に詳しいようだ。
→ http://opendoors.asahi.com/data/detail/2786.shtml
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コメント
司馬遼太郎はその後「街道をゆく15北海道の諸道」でも、入植後の新十津川村についての記述があります。この巻も実に面白いです。
投稿: 玄柊 | 2007年6月10日 (日) 22時10分
>玄柊さん
『街道をゆく』の「北海道の諸道」は「オホーツク街道」とともにだいぶん前に読みましたが、内容をあまり憶えていません。
樺戸のことが書かれていた記憶があります。
そのうち、読み返してみます。
投稿: やまおじさん | 2007年6月11日 (月) 20時19分