【楽】【読】夢見昼顔
沖浦和光さんの 『旅芸人のいた風景』 は面白かった。論文臭さがなくて、好感のもてる文章。
沖浦さんの体験がたくさん書かれていて興味ぶかかったし、わたし自身のこどもの頃のことも思いだした。
遊芸者、旅芸人を、こどもの頃に見かけたおぼえがある。
お祭りにはサーカスの一座が来ていたし、啖呵売(たんかばい)をする「テキヤ」も、まだいたのだ。
<少年の頃、私は摂津の箕面村(現・箕面市)に住んでいた。 (中略) 西国三十三所めぐりの「巡礼」をはじめ、「虚無僧」「六部」「山伏」などの旅姿をよく見かけた。 (中略) 初春には「万歳」「大黒舞」などの祝福芸人がやってきた。>
(沖浦和光 『旅芸人のいた風景』 文春新書 P.20-21)
この本を読んで、こどもの頃の記憶をよみがえらせたりしているうちに、ふと、ある歌の一節をおもいうかべていた。「夢見昼顔」 作詞/作曲/歌 須藤もん
ファースト・アルバム 『かえろう』 (2002年) に収録
http://homepage2.nifty.com/sudomon/album.htm
このアルバムの中で、いちばん好きな歌がこれだ。
♪ きのうの 寝苦しい 夜がおいていった
朝もやにたちくらむような気はしても
どこからともなく はじまるあの賑わい
子どもみたいに 胸はざわざわしてる
そしてあなたは 旅芸人のように
待ちわびたこころを ひととき照らした ・・・ ♪
「旅芸人」 ―― こういうことばを紡いで歌をつくりあげる もんさんのセンスは、並大抵ではないと思う。
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コメント
そうでしたね。須藤さんはここで旅芸人という言葉を使っていました。昔は旅芸人のくる芝居小屋がちょっとした街には必ずあったようです。
投稿: 玄柊 | 2007年9月 7日 (金) 22時51分
このアルバムでは「キャラバン」や「輪舞(ロンド)」という歌もいいのですが、この「夢見昼顔」は想像をかきたててくれる歌詞です。
「旅芸人」ということばが、ずっと気になっていたのですが、この歌のイメージがまたひろがってきました。
投稿: やまおじさん | 2007年9月 7日 (金) 22時58分