【楽】【読】若くして…
『ポートレイト・イン・ジャズ』 (和田誠/村上春樹、新潮文庫) には、ミュージシャンたちの生年、没年が書かれている。
何歳ぐらいで亡くなったのか気にしながら読んでいたら、驚いたことにずいぶん若い年齢で亡くなっている人が多いのだった。
この本でとりあげられている、20世紀アメリカのジャズ・ミュージシャンたちを、亡くなった年代ごとに羅列してみた。
ただし、没年齢は亡くなったときの満年齢ではなく、没年から生年を単純に引き算しただけ。
正確な没年齢は、亡くなった年に誕生日をむかえていたかどうかで、一歳ちがってくる。
丸括弧内が単純計算で私が出した没年齢だ。
また、この本の中でとりあげられているグループ(MJQ=モダン・ジャズ・カルテット、ジャッキー&ロイ)のメンバーは除外した。
山田風太郎の 『人間臨終図鑑』 ふうに、何十歳代で亡くなったかで分けてみた(生年順)。山田風太郎 『人間臨終図鑑』 (上/下)
徳間書店 1986年
徳間文庫からも三分冊で出版されている
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419891477X/
20世紀の著名なミュージシャンたちの多くは、私が漠然と思っていたよりも若くしてこの世を去っている。
酒や麻薬に負けて命を縮めた人も多いが、そもそも、ジャズ・ミュージシャンというのは、命をすり減らしながら演奏し、死んでしまう人が多いのかもしれない。 ことにアメリカでは。
今の私よりも若くして亡くなった人がたくさんいることに、なにやら感慨をおぼえる。
写真で見ると、みんな老成した風貌なんだがなぁ……。
20代で亡くなった人たち
1903-1931 (28) ビックス・バイダーベック Bix Beiderbecke
1916-1942 (26) チャーリー・クリスチャン Charlie Christian
1930-1956 (26) クリフォード・ブラウン Clifford Brown
30代で亡くなった人たち
1904-1943 (39) ファッツ・ウォーラー Fats Waller
1920-1955 (35) チャーリー・パーカー Charlie Parker
1928-1964 (36) エリック・ドルフィー Eric Dolphy
1935-1974 (39) ボビー・ティモンズ Bobby Timmons
1938-1972 (34) リー・モーガン Lee Morgan
40代で亡くなった人たち
1904-1944 (40) グレン・ミラー Glenn Miller
1910-1953 (43) ジャンゴ・ラインハルト Django Reinhardt
1915-1959 (44) ビリー・ホリデイ Billie Holiday
1917-1965 (48) ナット・キング・コール Nat “King” Cole
1925-1968 (43) ウェス・モンゴメリー Wes Montgomery
1928-1975 (47) ジュリアン・キャノンボール・アダレイ Julian Cannonball Adderley
50代で亡くなった人たち
1905-1964 (59) ジャック・ティーガーデン Jack Teagarden
1909-1959 (50) レスター・ヤング Lester Young
1922-1979 (57) チャールズ・ミンガス Charles Mingus
1925-1982 (57) アート・ペッパー Art Pepper
1929-1980 (51) ビル・エヴァンズ Bill Evans
1929-1988 (59) チェット・ベイカー Cet Baker
60代で亡くなった人たち
1904-1973 (69) エディー・コンドン Eddie Condon
1909-1973 (64) ジーン・クルーパ Gene Kurupa
1920-1982 (62) セロニアス・モンク Thelonious Monk
1920-1984 (64) シェリー・マン Shelly Manne
1923-1990 (67) デクスター・ゴードン Dexter Gordon
1925-1990 (65) ジューン・クリスティ June Christy
1926-1991 (65) マイルズ・デイヴィス Miles Davis
1927-1991 (64) スタン・ゲッツ Stan Getz
1927-1996 (69) ジェリー・マリガン Gerry Mulligan
70代で亡くなった人たち
1899-1974 (75) デューク・エリントン Duke Ellington
1901-1971 (70) ルイ・アームストロング Louis Armstrong
1902-1972 (70) ジミー・ラッシング Jimmy Rushing
1909-1986 (77) ベニー・グッドマン Benny Goodman
1912-1986 (74) テディ・ウィルソン Teddy Wilson
1912-1988 (76) ギル・エヴァンズ Gil Evans
1917-1993 (76) ディジー・ガレスピー Dizzy Gillespie
1918-1996 (78) エラ・フィッツジェラルド Ella Fitzgerald
1919-1990 (71) アート・ブレイキー Art Blakey
1925-1999 (74) メル・トーメ Mel Torme
1926-2002 (76) レイ・ブラウン Ray Brown
1930-2003 (73) ハービー・マン Herbie Mann
80代・90代で亡くなった人たち
1899-1981 (82) ホーギー・カーマイケル Hoagy Carmichael
1904-1984 (80) カウント・ベイシー Count Basie
1907-1994 (87) キャブ・キャロウェイ Cab Calloway
1915-1998 (83) フランク・シナトラ Frank Sinatra
1918-2006 (88) アニタ・オデイ Anita O'Day
1909-2002 (93) ライオネル・ハンプトン Lionel Hampton
存命
1925- オスカー・ピーターソン Oscar Peterson
1926- トニー・ベネット Tony Bennett
1928- ホレス・シルバー Horace Silver
1929- ソニー・ロリンズ Sonny Rollins
1930- オーネット・コールマン Ornette Coleman
1940- ハービー・ハンコック Herbie Hancock
※ 『ポートレイト・イン・ジャズ』 から、手作業で文字入力したものをEXCELで編集した。
転記ミスがあるかもしれない。 ここから転載していただいても、内容の正確さは保証しかねる。
なお、日本語人名表記は、村上春樹氏の原文に従った。
村上春樹氏が書いているように、Miles=マイルズ、Evans=エヴァンズ、Charles=チャールズ、と濁音で表記するのが正しいのだろう。
| 固定リンク
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】池澤夏樹=個人編集 世界文学全集(2023.05.12)
- 【読】桐野夏生の新作(2023.05.07)
- 【楽】【読】五木寛之の夜 ふたたび(2023.05.04)
- 【読】池澤夏樹『また会う日まで』読了(2023.05.01)
- 【読】2023年4月に読んだ本(読書メーター)(2023.05.01)
「【楽】音楽日誌」カテゴリの記事
- 【楽】山崎ハコさんのバースデイライブ 2023年(2023.05.15)
- 【楽】【読】五木寛之の夜 ふたたび(2023.05.04)
- 【楽】星ノ飛ブ夜&フレンズ at JIROKICHI ライブ(2023.03.26)
- 【遊】2022年に行ったイベント(2022.12.26)
- 【楽】西川郷子さん・星ノ飛ブ夜のこと(2022年の振り返り)(2022.12.23)
「村上春樹」カテゴリの記事
- 【読】村上さんのところ(2021.10.05)
- 【読】2017年に読んだ本(2017.12.30)
- 【読】村上春樹『騎士団長殺し』を読む(2017.06.29)
- 【読】2016年総集編 今年読んだ本(2016.12.31)
- 【読】「わかると思う」(2016.06.26)
「山田風太郎」カテゴリの記事
- 【読】戦争小説集(2015.04.14)
- 【読】再読 『同日同刻』 (山田風太郎)(2008.09.25)
- 【読】『銃後の絵日記』(2008.09.21)
- 【歩】【読】さわやかな朝(2007.10.17)
- 【楽】【読】若くして…(2007.10.02)
コメント
大変な作業でしたね。アニタ・オデイが昨年なくなったときは悲しかったのを思い出しました。
投稿: 玄柊 | 2007年10月 3日 (水) 14時46分
すごい!!時代の流れを感じました。
何を隠そう、私は隠れ春樹ファンなのです。。
ジャズはスローテンポで、自分が知っている曲をアレンジしたのが好きです。
投稿: モネ | 2007年10月 3日 (水) 20時14分
>玄柊さん
ソニー・ロリンズがまだ健在なのに驚いています。
この本には、なぜかジョン・コルトレーンとキース・ジャレットが選ばれていませんね。
和田誠さんが選ばなかったのですが、村上春樹はキース・ジャレットが好きじゃないらしい。
>モネさん
村上春樹、私は小説類を読んだことがないのです。
玄柊さんとの共通の知人(同期生)のK君(故人)の文体が、この村上春樹の影響だったのだな、と思いあたりました。
K君(岸本完司)については、このブログにもだいぶん前に書きました。
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2006/08/__0ad3.html
旭川で翻訳業をしていて、あさひかわ新聞に書評を書いていました。
投稿: やまおじさん | 2007年10月 3日 (水) 20時48分