【楽】【読】もし僕らのことばが
村上春樹 『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』
新潮文庫 2002.11.1 (平凡社 1999.12)
後味のいい本だった。
「ウィスキーの匂いのする小さな旅の本」 と前書きにあるように、モルト・ウィスキーの芳醇な香りがただよってくるような。
それでも著者は、文章にすることの難しさを、こう嘆いている。
<もし僕らのことばがウィスキーであったなら、もちろん、これほど苦労することもなかったはずだ。 僕は黙ってグラスを差し出し、あなたはそれを受け取って静かに喉に放り込む。 それだけですんだはずだ。 とてもシンプルで、とても親密で、とても正確だ。>
私は残念なことに、アルコールが一滴も飲めない体質だが、ここに出てくるウィスキーはきっと美味いんだろうな、と思う。
村上陽子さんの写真も、落ち着いたトーンで好感がもてる。
アイルランドってどんなところなんだろう。
この小さな旅の本に描かれているとおりの場所だとしたら、暮らしてみたいと思う。
アイルランドといえば、ケルト音楽が思いうかぶ。
こんなCDを聴きかえしてみたくなった。
iPodに入れて聴いてみよう。
THE BEST OF CELTIC WOMAN
オーマガトキ OMAGATOKI OMCX-1110 2003.11.26
→ http://www.shinseido.co.jp/cgi-bin/WebObjects/Catalog.woa/wa/detail?r=OMCX-1110
OMAGATOKI は「新星堂」のレーベル
http://www.shinseido.co.jp/omagatoki/
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コメント
私の中学生時代の友人が、この本を読んで2年前にスコットランドのこの島を訪ね、ウイスキーを飲んできました。
イングランドでは、私の1983年と1987年の経験では、殆どの人がビールを飲んでいました。
同じように、アイルランドでは黒ビールが圧倒的な人気、結局、ウイスキーはスコッチだからスコットランドだけの飲み物かなと思いました。
最後に、whiskeyと書くのは米国、アイルランド。whiskyと書くのはスコットランド、カナダです。
やまおじさんは、私の持っている村上春樹エッセイはかなりよみましたね。残るは「雨天炎天」((ギリシャ・トルコ紀行)があります。私も凝り性ですが、やまおじさんもかなり!?のものです。
投稿: 玄柊 | 2007年10月16日 (火) 06時48分
私もアルコールは飲まないので、このエッセイは充分に味わいきれなかったような気がしました。
もし春樹さんの言葉が、ウィスキーであったら、私は悪酔いしていたかもしれません。。
投稿: モネ | 2007年10月16日 (火) 20時30分
いつもコメントをありがとうございます。
>玄柊さん
アイルランドのことを書いているとき、玄柊さんのことを思いうかべていました。
黒ビールもいいですね。この本にも出てきますが。
>モネさん
私もまったくの下戸ですが、お酒は嫌いではないのです。
体が受けつけないだけで、残念なことです。
この本、気持ちよく酔うことができました。
投稿: やまおじさん | 2007年10月16日 (火) 21時58分