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2007年11月 6日 (火)

【読】風の対話(続)

書くネタがあまりないので、きのうの続き。

Itsuki_kazenotaiwa『風の対話』 五木寛之 河出文庫

 

わずか200ページほどの文庫。
対談の時期や初出誌が書いていないが、1984年頃らしい。
村上春樹との対談に期待していたが、どうも二人の話がかみあっていない。
村上春樹もあまり喋っていないし、五木寛之が一人でしゃべっているような感じで、拍子抜け。
いろいろと興味ぶかい話も、あるにはあるのだが・・・。 惜しい。

それにくらべ、中沢新一や高橋源一郎との対談がおもしろい。
中沢氏も高橋氏もよく喋るし、それに五木さんが応えて話題が展開していくさまは、ジャムセッションのような趣きがある。

北方謙三は、この対談当時、37歳で車の免許をとったという。
この一年前の春、五木さんが北方氏の小説を読んで 「車に気をつけろ」 と言ったことが、免許をとるきっかけだったと、北方氏は言う。
つまり、いまは運転人口が多いから、車に関する描写にウソがあるとすぐに読者に見破られる、ということ。
五木さんは車の運転が好きだから、この対談は車の話で盛りあがっている。
おもしろい。

中上健次との対談はこれから読むのだが、惜しいことに、この個性的な作家はすでにこの世の人ではない。

五木さんは、対談相手の本をじつによく読んでいる。
中沢新一 『チベットのモーツァルト』 についても、難しいがおもしろい、と言っているので、私も読んでみようかなという気になったりして・・・。

Nakazawa_tibet『チベットのモーツァルト』 中沢新一
  せりか書房 1983/11/20

 

古本で手に入れて、読もう読もうと思いながら、なかなか手がでなかったもの。
気になる本ではある。
中沢新一は、歴史学者 網野善彦の甥にあたる。
(中沢氏の父の妹の夫が網野氏)
『僕の叔父さん 網野善彦』 (集英社新書 2004/11) という著作も、私には興味ぶかい。

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コメント

表紙を見ると持っているような気がします。中沢新一は、実際難しいけれど読む価値ありです。持っていてもなかなか手が出ない本がありますね。

投稿: 玄柊 | 2007年11月 7日 (水) 16時50分

>玄柊さん
中沢新一の本では、南方熊楠を扱った『森のバロック』も手元にあり、読んでみたい本のひとつです。
入り込めば面白みのある本だとは思うのですが、なかなかです。
今日から『僕の叔父さん 網野善彦』を読みはじめました。いい本です。

投稿: やまおじさん | 2007年11月 7日 (水) 20時53分

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