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2007年11月 7日 (水)

【読】僕の叔父さん

今日から読んでいる本。
とてもいい。
こういう 「潤い」 に満ちた本に飢えていたんだよなぁ。

Nakazawa_ojisan『僕の叔父さん 網野善彦』 中沢新一
 集英社新書 2004/11/22

「すばる」 2004年5月号~7月号に連載した 「僕の叔父さん――網野善彦の思い出」 に、大幅に加筆・訂正したもの。 (本書から)

いきなり終章から読んでしまった。
すこし長いが、引用しておく。

<さあ、もうそろそろ終わりにしよう。 この長大な追悼文も筆を擱くときが来たのだ。 『異形の王権』 が書かれていた頃が、網野さんと私のまじわりの、ちょうど夏の真昼にあたる時間だった。 太陽は天頂にあって、地上に落ちる影はどこまでも正しく、語り出された言葉は寸分の狂いもない正確さで、相手の心に届けられていた。 それから、太陽はしだいに西の空に傾いていったのである。>

<私はかつて網野さんとのあいだに実現されていた、あの透明なまじわりを取り戻したいと切に願った。 そこで父親の夢でもあった、石の神の思想を主題とする一冊の本を書こうと決めた。 (中略) / ようやくその本、『精霊の王』 ができあがって、私はそれをすぐに網野さんに速達で送った。 それから数日して、携帯電話に真知子叔母からの呼び出しがあった。 / 「新ちゃん、新しい本ありがとう。 おじちゃんもとっても面白いって誉めてたわ。 (中略)」 / しばらく待っていると、ほんとうに網野さんが電話口に出てきた。 / 「新ちゃんですか。 おじちゃんです。 『精霊の王』 読みました。 とてもよかったよ。 また遊びにおいでね」 / ゆっくりとここまでしゃべるのが精一杯の様子だった。>
 (終章 別れの言葉)

網野善彦氏が亡くなる直前の、このエピソードが胸に響いた。
叔父(義理の叔父)と甥との、しあわせな関係。

網野さんの代表的な著作、『蒙古襲来』 『無縁・公界・楽』 『異形の王権』 などが手元にありながら、これまでずっと読まずに(読めずに)いた。
この中沢さんの本を読み始めて、網野さんの歩みに触れたいま、これらの著作を読んでみようという気になった。

なんだか、しりとり遊びのような、連鎖的な読書をつづけているけれど、本とのめぐり合わせなんてこんなものかもしれない。
本を読むことに、それほど意味はないけれど、まあ、興味のおもむくままに・・・。
これも人生のたのしみ(のひとつ)だろう。

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コメント

網野さんは僕にとっても死角でした。「僕の叔父さん」読みたくなりました。

投稿: 玄柊 | 2007年11月 7日 (水) 23時34分

いいエピソードですね。中沢新一さんって、こういう本を書くのですか。。

投稿: モネ | 2007年11月 8日 (木) 07時05分

>玄柊さん
この本はいいですよ。
BOOK OFF でもよく見かけますので、ぜひ。

>モネさん
いいエピソードがたくさん書かれています。
中沢新一さんが書かれたものを読むのは、これがはじめてですが、最初に読んだのがこの本だったことは、よかったと思います。

投稿: やまおじさん | 2007年11月 8日 (木) 20時34分

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