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2007年12月24日 (月)

【読】小説の読み方

それほど長い小説でもないのだが、まだ読み終えていない。
文庫本、上下2巻。 あわせて500ページほど。
こういうものは、一気に読み通さないと醍醐味が伝わってこないのかな、と思う。
下巻にかかり、ようやくストーリー展開がおもしろくなってきた。

Murakami_hitsuji1_2Murakami_hitsuji2村上春樹 『羊をめぐる冒険』
 講談社文庫 (上・下)
 2004.11.15 第1刷発行

 「群像」 1982年8月号掲載
 同10月 講談社から単行本発売

そうか、純文学雑誌に発表されたんだ。
1982年といえば、25年前かぁ。

小説の内容と直接関係ないが、家で緬羊(めんよう)を飼っていたことがある。
小学校低学年か、もっと小さい頃、学校に入る前だったかもしれない。

当時、私の父は北海道の片田舎で小学校の教員をしていた。
教員住宅の裏に物置小屋があり、そこで緬羊を飼っていたのだ。
羊毛をとるための羊で、きっと内職的に飼っていたのだろう。

バリカンで羊の毛を刈った後、羊の体が小さくなって山羊のように見えたことを、いまでも憶えている。
なにか事情があってその羊を手放すことになったとき、羊が乗せられたトラックを、幼い私は泣きながら走って追いかけたらしい。
羊とわかれるのが辛かったんだろう。
おぼろげな記憶しかないが、今でもときおり、母と、そういえばこんなことがあったねと語りあう昔話だ。

 

Itsuki_kazenotaiwa『風の対話』 という五木寛之の対談集に、村上春樹との対談がある。
『羊をめぐる冒険』 が出版された頃の対談。

五木 今度の『羊をめぐる冒険』 は、あなたにとっての第三作になるわけだけど、いかがですか、ご自分では。
村上 あれを書いちゃって、かなり楽になりました。 最初の二作を書いたあとで、実は結構落ち込んじゃったんです。 (中略)というのは、ぼくの最初の二作は、「他人に何かを語りたい」、「でも語れない」というギャップで成立していたようなところがあるんですけど、 (略) で、三作目では、徹底してストーリー・テリングをやりたいと思ったわけなんです。(後略)

これに対して、五木さんが、「ストーリー・テリングっていう、そのへんを少し聞かせてほしいですね。 ストーリー・テリングと物語とは違うっていうふうに、ぼくは思うんだけれども。」 と言っている。
五木寛之の小説は「物語」という感じがするが、村上春樹はちょっとちがうな、というのが私が感じたことだ。
好きか嫌いか、と問われれば、「嫌いではない」としか今のところ言えない・・・かな?

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コメント

「羊・・」は、特に抽象的なイメージの部分が多く、北海道の牧場も架空の場所ですね。人間も羊男も現実ではない・・。まさにカフカの世界に近いのかもしれません。そのあたりが、受け入れられるかどうかが、微妙です。
五木の作ってきた世界とも、そのあたりが大きく違います。五木は映画化作品が圧倒的に多いのに比べ、村上春樹の原作が映画化されたものが少ないのもそのあたりに原因があるでしょう。

投稿: 玄柊 | 2007年12月24日 (月) 14時45分

>玄柊さん
羊男というのはまだ出てきませんが、羊博士というのがちょっと面白いと思いました。
カフカの世界・・・ですか。
読んでいないのでよくわかりません。
五木寛之の小説と異質なことは当然でしょうねぇ。
まったくタイプがちがう作家ですので。
受け入れる・・・うーん、好きか嫌いかということになりそうです。

投稿: やまおじさん | 2007年12月24日 (月) 16時54分

架空と現実の交錯する、入り交じるところがファンとしてはたまらないのですが、そこが受け入れられないと感じる人が多いのかも知れません。

どうぞ気楽に。。

羊を飼っていらっしゃったのですか。
いいなあ。。

羊男のキャラクターも、大好きです。
何となく寂しげで、気の弱そうなところとか。。
どこかに居そうな気がするほどであります。

やまおじさんはお嫌いかも。

映画化は無理だと思います。

投稿: モネ | 2007年12月24日 (月) 23時17分

>モネさん
まだ読み終えていないうちから、いろいろ書きすぎたのかもしれません。
構えて読んでもしょうがないですものね。
あと数日かかりそうですが、最後まで読んでみます。

投稿: やまおじさん | 2007年12月25日 (火) 08時54分

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