【読】うれしい復刊 『静かな大地』
数日前、書店でこんな本をみつけた。
長いこと、文庫サイズでは入手がむずかしかった本の復刊である。
花崎皋平 (はなざき・こうへい)
『静かな大地 松浦武四郎とアイヌ民族』
岩波現代文庫 (社会163) 2008/2/15
1200円(税別)
岩波同時代ライブラリーという文庫サイズのシリーズで出ていたものだが、品切れとなっていて、私も図書館から借りて、すこしだけ読んだことがある。
その後、単行本で手に入れたものの、手許にあるといつでも読めると思ってしまい、そのままになっていた。
今回の文庫化で、池澤夏樹さんの解説がついた。
池澤夏樹さんの小説 『静かな大地』 の題名は、この花崎さんの本から借用したものである。
その事情も、池澤さんの解説に書いてある。
松浦武四郎には、ずっと関心があった。
北海道の中央山地、大雪山系に、松浦岳という山がある(緑岳の別名)。
松浦武四郎は、北海道が蝦夷地と呼ばれていた江戸時代に、蝦夷地をくまなく歩いた探険家で、アイヌ民族に深い理解を示した人物だ。
今読んでいる、泉光院(この人も江戸時代の修験道者だ)の日記を扱った本を読み終えたら、花崎さんのこの本を読んでみたいと思う。
(左) 花崎皋平 著 『静かな大地』 岩波書店 1988年
(右) 池澤夏樹 著 『静かな大地』 朝日文庫 2007年
この小説は、とてもいい。 私は何度かくりかえし読んで、このブログにも書いた。
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コメント
花崎さんの単行本を手に入れたいと思っていたら、こういう風に出ていたのですね。しかも、復刊ですか。探してみます。
投稿: 玄柊 | 2008年3月 1日 (土) 13時07分
>玄柊さん
本屋でこれを見つけたときは、うれしかったですね。
岩波同時代ライブラリー(文庫)は、終わってしまったようです。
岩波現代文庫には、おもしろそうなものがたくさんありますね。
私は単行本も持っていますが、古本市だったかネットで手に入れたか忘れてしまいました。
単行本の装幀もいいのですが、この文庫本は池澤夏樹さんの解説が「お得」という感じです。
投稿: やまおじさん | 2008年3月 1日 (土) 21時30分