【読】魔法のことば(星野道夫)
通勤途上で何を読むか、じつは難しい選択である。
活字が小さい本は目がつらいし、分厚い単行本は重い。
そうだ、星野道夫さんの講演録があった、ということで、今日から通勤途上で読んでいる。
『魔法のことば』 星野道夫 講演集
スイッチ・パブリッシング 2003.4.25
タイトルがいい。
星野さんのことばは、ほんとうに魔法のようだ。
語られているのは、いつも同じことが多いが、何度聴いても(読んでも)あたたかい気持になれる。
彼は本当に大事なことしか言わなかった。
そして本当に大事なことは何度でも言った。 ――池澤夏樹
……人間にとって大切な自然が二つあるような気がします。
一つは、皆にとっての身近な自然です。 例えば家の近くの森や川、鳥だとか、そういう日常に近い自然の大切さがありますよね。 それは日々の暮らしの中で変わっていく自然ですが、もう一つ、遠い自然も人間にとって大切なのではないかと思うんです。
そこには一生行けないかもしれないけれども、どこか遠くにそういう自然が残っていればいつか行くことができるかもしれない。 あるいは、一生行けないかもしれないけれども、いつも気持の中にある、そういう遠い自然の大切さがある。
それはアラスカだけに限らず、アフリカであれ南米であれ、また日本であれ、たとえ自分がそこに行かなくても、日常の暮らしに関わりがなくても、ただそこにあることで人の気持が豊かになる自然があるのだと思います。
(本書 P.98-) 「第三章 めぐる季節と暮らす人々」
1993年2月6日
北海道清水町で行われた写真展「アラスカ」に際して行われた講演
1993年2/6~11 「ALASKA 風のような物語」 北海道清水町文化センター
星野道夫公式サイト
http://www.michio-hoshino.com/index.html
スイッチ・パブリッシング
http://www.switch-pub.co.jp/
―上記サイトより―
星野道夫 (ほしのみちお)
写真家、作家。1952年千葉県市川市生まれ。76年慶應義塾大学経済学部卒業後、アラスカ大学野生動物管理学部に留学。以後アラスカに身を置き、厳しい自然に生きる動物や人々を撮り続け、誠実な人柄を表すような透明感あふれる文章も高い評価を受ける。96年8月8日、取材先のカムチャツカ半島クリル湖畔にて、ヒグマに襲われ急逝。享年44歳。
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