【読】星野道夫さんの本棚(続)
星野道夫さんの本棚にあった一冊。
愛読書だったようだ。
Coyote №2 (2004.10.8) スイッチ・パブリッシング
特集 星野道夫の冒険 より引用
(P.52) 人はこうして生きてきた
『デルスウ・ウザーラ』 は星野道夫がこよなく愛した本の一つである。 書斎にはボロボロになった本を改めて装訂(装丁/装幀のまちがいか?)し直したものがある。
(中略)
著者のアルセーニエフが1906年の調査旅行途上で出会ったのが、ゴリド族の男デルスウ・ウザーラ。 (中略) 彼ら二人の短くも心深い交流を描いたのが、この 『デルスウ・ウザーラ』 である。 ……
ネット販売で注文してあった東洋文庫版が、きょう届いた。
Coyote にも、同じ本がイラストで紹介されており、上で引用した文章が書かれている。
星野さんの本棚には、別の訳者による同じ書もあったようだ。
『デルスウ・ウザーラ 沿海州探検行』
アルセーニエフ 長谷川四郎訳
平凡社東洋文庫 55 1965年
訳者の長谷川四郎が好きなので、この本がほしくなったのだ。
こういう探検記、それほど読んでいないが、好きな分野だ。
(Wikipediaより)
長谷川 四郎(はせがわ しろう、1909年6月7日-1987年4月19日)は、北海道出身の作家。法政大学卒業後、南満州鉄道株式会社に入社。退社後招集。復員後、シベリア捕虜体験をもとに「近代文学」に作品を発表した。その後、新日本文学会で活躍し、1960年代の同会を花田清輝とともにささえた。1974年には、花田とともに戯曲『故事新編』(魯迅の同名の作品に基づいたもの)を共同制作もした。
牧逸馬・林不忘・谷譲次のペンネームを用いた小説家長谷川海太郎は実兄。
長谷川海太郎(谷譲次・牧逸馬・林不忘)も好きで、一時期、夢中になって読んだことがある。
「デルス・ウザーラ」 という映画がいっとき話題になったが(黒沢明監督、日ソ合作、1975年)、私は観ていない。
今日から、『流亡 日露に追われた北千島アイヌ』 を読んでいる。
宮本常一さんの本は、一時中断。
しばらくのあいだは、星野道夫さんの周辺をぐるぐるまわる読書が続くのか、自分にもわからない。
こういう本の読み方もいいじゃないか。
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コメント
私は「デルス・ウザーラ」原作を手に入れ、と黒沢映画は封切りで見ていました。星野さんが、この原作が好きなのを知ってまさにそうだろうと納得しました。
映画はやはり黒沢の中では合作ということで物足りない感じがありますが、見る価値は十分あります。
星野さんを巡る様々な読書と体験、まだまだ続きますね。
投稿: 玄柊 | 2008年7月 3日 (木) 09時09分
「デルス・ウザーラ」私はタイトルだけは知っていましたが、読んでもいませんし、見てもいませんでした。
人が何を好むか、その傾向は、先天的なものと、培っていくのもと、両方あるのでしょうね。
星野さんの言葉、紹介してくださって、ありがとうございます。私はいま、物色中ってところです。
投稿: モネ | 2008年7月 3日 (木) 09時43分
>玄柊さん
映画はほとんど観ないので、この先観る機会があるかどうかわかりませんが、この本には期待しています。いつになったら読めるか、やはりわかりませんが。
思い返せば、星野道夫さんとの出会いは(彼の死後でしたが)、高尾の山奥にある料理屋でたまたま見かけた一冊の写真集でした。
出会いとは不思議なものですね。
>モネさん
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
私は、生まれつきとか、先天性というものをあまり考えないのです。
生まれ育った環境と、その後の人生の中でのいくつもの分岐点での選択の結果が、今のじぶんを形づくっているのではないかと考えています。
好みというのも、変わっていくものかと。
生きていくことは、あんがい面白いものですね。
私のブログが、なにがしかの参考になっていれば幸いです。
もっとも、本人は書きたいことを勝手に書いているだけですが。
これからも、どうぞよろしく。
投稿: やまおじさん | 2008年7月 3日 (木) 20時33分