【楽】幻想旅行(山崎ハコ)
歌い手さんにとって「いま」が一番たいせつなことを承知のうえで、25年以上も前のアルバムにこだわっている。
どうして、こんなにいいアルバムがCDで再発売されないのか、業界の事情がわからない。
二枚組みCDで発売すれば、きっと売れると思うのに。
今聴いても新鮮な内容だから。
山崎ハコ 幻想旅行 (写真左、中)
1981.11 キャニオン・レコード CA28A0190
山崎ハコ 幻想旅行Ⅱ (写真右)
1982.4 キャニオン・レコード CA28A0210
CD化に挑戦中。
(あくまでも個人で楽しむのが目的である……念のため)
なんとか音楽CDにできたが、連続しているアナログ音源を曲ごとに分割する細かい作業がやっかいだ。
一曲ずつWAVE形式のデータにするのも、けっこうめんどうな作業だが、曲の頭と終了部分のカット処理も私には難しく、もう少し練習が必要だ。
そんなことをして遊びながら、この二枚のアルバムを聴きなおしていると、これまで気づかなかったいろいろなことに気づく。
私はふだん、歌詞カードや録音データをあまり見ないのだが、今回はあたらしい発見があった。
思いつくまま書いてみよう。
1 バックの演奏陣がじつに多彩だ。
曲によってちがう人が担当しているのだが、二枚のアルバムをあわせると、ドラムスが7人、エレキ・ベースが8人、キーボードが8人と、やたらいろんな人が参加している。
このあたりの録音事情は、ちょっと知りたい気もする。
2 フォーク・ギター(アコースティック・ギター)だけは、吉川忠英さんと安田裕美さんの二人が交替ではいっている。
楽器の数が多く、サウンドに厚みがある(音が多い)ので注意して聴かないと気づかないが、安田裕美さんのギターがじつに繊細なのだ。
安田さんは、「幻想旅行」の四曲、「幻想旅行Ⅱ」の五曲に参加。
3 「幻想旅行」のほうに、珍しい楽器が使われている。
B面三曲目 「さくら」 で、ケーナとダルシマーがいい効果をだしている。
すばらしい曲で大好きなのだが、使われている楽器を意識して聴いたのは今回がはじめてだった。
4 「若草山」(幻想旅行Ⅱ)の歌詞の不思議。
「わたし」と「あなた」が誰で、どういう関係なのか、想像をかきたてられる。
なんと幻想的で、すてきな楽曲なんだろうと、あらためて感心した。
5 ずっと感じていたことだが、この二枚のアルバムのハコさんの歌声がいい。
厚み、重み、深みがあると思う。
1981年、82年といえば、まだ二十代なかばだったはず。
デビュー後十年もたっていない時期だ。
何十年も歌い続けてようやくできあがるような、自信にみちた歌唱に驚く。
それでいて、デビューからずっと現在まで、一本筋の通った「ハコ」の歌声の特徴がそこなわれていない。
とまあ、思いつくままに書き連ねてみた。
私の独断なので、異論もあると思うが。
【参考】
アルバム 「幻想旅行」 収録曲
幻想旅行/北北東/終点まで満員/東北・都/雪の道/サンクチュアリーへ/港の歌/さくら/歌は旅/旅路 (全10曲)
アルバム 「幻想旅行Ⅱ」 収録曲
スコール/ばいばいことば/海鳴り/あんたの大阪/ペンフレンド/港の景色/遠参り/若草山/幻想旅行 (全9曲)
「サンクチュアリーへ」の一曲だけ、工藤順子作詞、山崎ハコ補作詞、石黒ケイ作曲。
他はすべて、山崎ハコ作詞・作曲。
編曲陣は多彩。
私が気になる演奏陣 (著名どころ)
島村英二 (ドラムス、中島みゆきのバックをつとめている人として知っていたので)
渡嘉敷祐一 (ドラムス)
安田裕美、吉川忠英 (ギター)
斉藤ノブ (パーカッション)
八木伸郎 (ハーモニカ)
向井滋春 (トロンボーン)
私が気になる演奏楽器
ケーナ、ダルシマー (「さくら」)
和太鼓、しのぶえ、能管、大皮 (「遠参り」「若草山」)
【参考サイト】
Hako Yamasaki - World Wide Web Home Page
(詳細なディスコグラフィーが掲載されている)
http://www.st.rim.or.jp/~tokunou/hako.html
私のサイト
(この二枚のアルバムの紹介、私の思い入れ)
http://yamaoji.hp.infoseek.co.jp/m_hako_gensou.html
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コメント
2枚とも持っていますがプレーヤーが壊れていて長い間、聴いてません。歌詞カードを見よう思ったら、別のアルバムの歌詞カードが入ってる(爆)中古屋さんの検品ミスだけど、買ったの20年前だから、今更どうしようもない。。。
一番、印象的なのは東北新幹線開通前の東北本線の特急に乗車中の歌。♪終点まで満員だったっけ?
他の人のカセットレコーダーから聴こえてくるのは人の歌、とか、ちょっぴり自虐的なのもいい。
乗っている列車は仙台よりも北に行っているから「やまびこ」か「はつかり」かなあ。。。
投稿: こまっちゃん | 2008年7月13日 (日) 12時11分
>こまっちゃん
ハコさんのLPは、今では中古店でも見なくなりましたね。
貴重なものです。
ところで、その曲はご記憶どおり「終点まで満員」ですね。
「汽車は上野を出て、大宮から説明するそうな」
「ふと仙台あたりでおりたくなる」
「東北本線いつ乗っても、お茶がこぼれて一人笑う」
「急に流れるラジカセのテープは他人(ひと)の歌」
こんな歌詞が時代を感じさせます。
投稿: やまおじさん | 2008年7月13日 (日) 14時27分