【読】こんな本を読んでいる (4)
ニューギニア島では、二十万人以上の兵士が上陸して三年間の戦闘が繰り広げられた。
戦闘、と呼ぶにはあまりにもお粗末、無謀な作戦の連続だった。
ポートモレスビー(ニューギニア東部、連合軍の最前線基地があった)を陸路から攻略しようとして失敗、連合軍の逆襲を受けて敗走を続けた、まさに地獄絵図のような敗戦までの数年間。
その前に、ガダルカナル島をめぐる攻防と、日本軍の敗退があった。
1942年5月 珊瑚海海戦
同年 6月 ミッドウェー海戦
同年 7月 日本軍、ガダルカナル島上陸、ポートモレスビー陸路攻略開始
同年 8月 米軍、ガダルカナル島上陸(反攻開始)
1943年2月 日本軍、ガダルカナル島から撤退
先に読んだ 『地獄の日本兵 ニューギニア戦線の真相』 に紹介されていた、五味川純平の戦記。
あまりに細かい戦記なので、最期まで読めるかどうかわからないが、今日から読み始めている。
以下、本書 「あとがき」 より。
<日本人は、よくよく、失敗の教訓を教訓としたがらないらしく見える。 軍人や政治家が特にそうである。 ノモンハンからガダルカナルまでちょうど三年、ノモンハンでしたたかな実物教育をくらいながら、ガダルカナルではより深刻な用兵の失敗を繰り返した。 四十年近く経って、まだその認識と反省がないのはどうしたことであろうか。 ガダルカナルやニューギニアで餓死した夥しい壮丁は、四十年後、祖国の進路の選択に関して、何も言うことは出来ない。 実際には、彼らを餓死せしめた罪の一端を背負うべき者が、現在の日本の進路の決定にあずかっていたにもかかわらず、死者は永遠の沈黙を強いられたままである。>
(四十年後、というのは、この本が上梓された1980年、防衛論議が盛んになっていた時期)
― 以下、Wikipediaより ―
ガダルカナル島の戦いは日本の継戦能力の限界を超えた状況となっており、11月24日にはある将校が「そこら中でからっぽの飯盒を手にしたまま兵隊が死んで腐って蛆がわいている」旨を大本営に報告したが、撤退は未だ決まらなかった。1ヵ月後の12月31日になって日本軍はようやく撤退に向けて動き始めたがこの間にも多くの将兵が餓死していった。(これはガダルカナル以降補給の途絶えた各戦場で見られた現象で、ある生存者はジャングルを「緑の砂漠」と表現した。)ほとんどの部隊では、ふらふらと何とか歩ける兵士はすべて食糧の搬送に当たり、陣地を「守る」のは、立つこともできなくなった傷病兵という状態に陥っていた。そういう中で、やっと手に入れた食糧を戦友のもとに届けようと最後の力を振り絞り、背中に米を担いだまま絶命する兵士も現れれば、食糧搬送の兵を襲って米を強奪する兵士も現れる状況になった。
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