【読】こんな本を読んでいる
ちょっと興味ぶかい本を本屋でみつけ、週末、いっきに読んだ。『不許可写真』 草森紳一 著
文春新書 652 2008.8.20
163ページ 900円(税別)
戦時中、検閲で 「不許可」 になった写真を集め、著者の御託(といっては悪いか)が並べられている。
<「不許可写真」 (当時の国民は見ていない) の大半は、今日の目から見れば、一コマもののマンガである。 滑稽である。 なぜこんなものが不許可なのか。 サッパリわからず、理由をきいて吹き出してしまう。 写真を笑うのではなく、不許可の 「理由」 に笑うのである。>
(帯より)
ショッキングな写真も多いが(その残虐性のために、当局が発表させなかった)、なぜこんな写真が……というものも多い。
例えば、「南方に踊る宮操子 昭南(現シンガポール)にて」 などは、太腿をあらわにして踊るダンサーの写真。
太腿が出ているだけでNGとなった。
日本の検閲は不徹底だった、という著者の意見がおもしろい。
<二十世紀は、映像(イメージ)の時代である。 (中略) 「大東亜戦争」時代、宣伝下手な日本は、情報に敏感だったという矛盾がある。 写真の情報性にも敏感だったが、その活用は幼稚であった。> (P.61)
あの時代の一面を知るために、興味ぶかい一冊。
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