【読】興味ぶかい本
このところ、本のことばかり書いているが、次から次へと興味ぶかい本がみつかるものだ。
本ばかり読んでいると馬鹿になるぞ――いつも、そういう自戒を忘れないようにしているが、根が本好きなのだろう。
凝り性という性分もある。
ある分野に関心を持ちはじめると、しばらくのあいだ、いろんな本を探しまわる。
読むスピードが遅く、読書に割ける時間もさほどとれないので、読みたいのに読んでいない本がたまっていく。
まあ、いいだろう。
少し前に、朝日新聞の書評欄で見た記事。
「苦難の昭和が示す教訓」
半藤一利 (作家)
『畏るべき昭和天皇』
松本健一 著
毎日新聞社
2007.12.20
1680円
<昭和史の中心にあったのは、いうまでもなく昭和天皇である。
最近刊の松本健一 『畏るべき昭和天皇』 は過去の諸書なんかと違い、とにかく昭和史における昭和天皇の存在のいちばん核心のところを深く考察した野心的な論考である。
二・二六事件のさいの天皇の畏るべきところは、北一輝から軍隊を奪い返したところにある、といったそれこそ恐るべき記述にぶつかり、驚倒させられることしばしばであった。>
私にとっての昭和天皇といえば、高校生のとき、天皇が北海道の旭川市を訪問したことがあり、そのパレードを見たことがある。
その頃の私は、観念的にしか天皇をとらえていなかった。
(この世の中を観念的にしかとらえられない高校生だった)
いっしょにいた当時の友人(左翼的な活動をしていた)が、「トマトジュースを車にかけてやろうか」 と言っていたことを憶えている。
私は、おもしろがって聞いていた。
それだけのことだが、ミョーなことを憶えているものだ。
あれから40年が過ぎた。
昭和の天皇はとうに死去し、私の中では、あの天皇の謎が深まっている。
たしかに、まれに見る偉大な君主だったと思う。
カンケイナイとは言い切れないものが、私の中にもあるのが不思議だ。
体の奥深いところに、何かしみついているものがある。
「畏(おそ)るべき」 という形容がふさわしい。
興味は尽きないのである。
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