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2008年9月 4日 (木)

【読】ガダルカナル

Gomikawa_guadalcanal_3五味川純平 『ガダルカナル』
 文藝春秋 1980年

読み始めてから一週間、なかなかすすまないが、がんばって読み続けている。
313ページあるうちの三分の一まできた。

長大な戦記である。
1942(昭和17)年8月7日、当時、日本軍が飛行場を建設中だったガダルカナル島へ、米軍の上陸がはじまった。
100ページほど読みすすんだところで、まだ、日付は9月はじめまでしか進んでいない。
日本軍が、どうにかしてガダルカナル島を奪い返すため、大兵団を上陸させようと試みているのだが、ことごとく失敗。
たくさんの兵卒を無駄に死なせている。


とにかく、記述が細かく、活字も小さいので、集中して読まないとわからなくなってしまう。

はじめの数十ページで投げ出してしまおうかとも思ったが、それも悔しいので、ぐっとこらえて読んでいるうちに面白くなってきた。
悲惨な戦争のハナシだから、面白いと言ってしまうとイケナイのだが、やはり面白い。
日本軍の指導者のダメさかげんが、よくわかる。

始めから、やらなきゃよかった戦争だと思うのだが、それにしてもひどい戦争だった。
米軍を中止とする連合軍との国力、戦力、戦略、戦術の差が歴然としている。
日本は、とにかく精神力だけを頼みに戦ったのではないか、とまで思える。
もっと冷静、客観的に戦況を捉えられる人物はいなかったのか。
まこと、不思議な国であった。


<日本は、開戦時の計画では、経済的必要と戦略的必要から、攻略範囲を概ねビルマ、マレー、スマトラ、ジャワ、セレベス、ボルネオ、フィリピン、グァム、ウェーキ、香港等の諸地域とし、これらを内懐に抱くマーシャル群島以西の海域を確保することで長期持久を策するはずであった。 それが、緒戦の成功で調子づいて、マーシャル群島の線を遥かに超越した線へまで構想が放漫に冒頭したのである。
 別の表現を用いれば、一旦戦争に火をつければ、何処まで燃えひろがるか、何処を終末線として限定できるかについて、正確な計測が行なわれなかったといえる。>
(本書 P.11)



ところで、今年もはやいもので、9月になった。
ガダルカナルでの戦闘から、66年後の同じ季節。

どしゃぶりの雨の中を帰宅。
多摩地方には、大雨洪水警報がでている。

私は、ずぶ濡れになったズボンを干すぐらいのもので、家に帰ればシャワーも浴びられるし、腹いっぱいメシも食える。

あの時代、あの場所に自分がいたら(おそらく一兵卒として)、どのように戦い、生きようとしただろうか。
天皇陛下バンザイと叫んで、敵にむかって突撃して、あっけなく殺されていたかもしれない。
(そんなことはしない、とは言いきれない)

あるいは、ジャングルの中に逃げこんで、餓死していたかもしれない。

そんなことを、つらつら思う。
いま、外は、ふたたび激しい雨になっている。

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コメント

がダルカナルですか。
私は最近、ブックオフで「人間の条件」全6冊(文庫本)につかまって、買ってしまいました。
ところが家でよく確かめたら、第3巻が抜けていて、(いや間抜けなのは、私でした)、、、
あまりにも超大作なので、手を出さないようにしようと思っていたのに、つかまってしまいました。

「わが心の銀河鉄道ー宮沢賢治物語」という映画・DVD(1996年)、ご覧になりましたか。
保坂嘉内のことがしっかり描いてあって、菅原千恵子さんの本の影響かと思ったのですが、どうでしょう。

投稿: モネ | 2008年9月 5日 (金) 09時53分

>モネさん
五味川純平には『ノモンハン』という本もありますね。
ちょっと読んでみたい気もしますが、長大な戦記は疲れます。
宮沢賢治の映画は知りませんし、見てもいませんが、菅原千恵子さんの本は面白かったですね。

私は、すでに持っている本を買ってしまうことが、たびたびあります。
『人間の条件』、読めそうですか?
そうとう根気が必要な気がしますが・・・、がんばってください。

投稿: やまおじさん | 2008年9月 5日 (金) 21時52分

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