【読】歴史ってなんだろうね
「歴史ってなんだろう」 というほど、たいそうな話でもないのだが、ちょっと思ったことを書いておこう。
「あの戦争」 をめぐって、いろんな本を読んでいる。
いま読んでいるこの本も、興味ぶかい内容だ。『二十世紀 日本の戦争』
阿川弘之 猪瀬直樹 中西輝政
秦郁彦 福田和也
文春新書 112 2000.7.20 660円(税別)
猪瀬直樹が進行役の形の討論である。
二十世紀、日本がかかわった日露戦争、第一次世界大戦、シベリア出兵、満州事変に端を発する日中戦争、太平洋戦争、その後の朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争まで、ちいさな書物ではあるが、よく語られていて勉強になる。
― 猪瀬直樹 あとがき より ―
<愉しい討論だった。 知的に愉しいという意味である。/しかし、テーマは限りなく切ない。黒船の来航とともに日本は弱肉強食の世界に放り出された。 戦争は仕掛けなければ、仕掛けられるのだ。 そういう強迫観念をふりほどこうと苦闘した先輩たちの成功と失敗について論じるのだから。 夥しい数の死者たちの屍の上に築かれた歴史について語るのだから。/後世のぼくたちは、あたかも神の視座にいるごとく世紀という時間と空間を縦横無尽に勝手気儘に歩いた。 日本人が命を賭して二十世紀をどう生きたのか、真摯に問い直そうとする試みならばお許し願えるだろうか。>
阿川弘之、猪瀬直樹をのぞく三人について、私はよく知らないが、カバー裏の紹介文から略歴を転載しておく。
阿川弘之 (あがわ ひろゆき)
作家。 1920(大正9)年生まれ。
東京大学文学部卒業後、海軍予備学生。 元海軍大尉。
著書に『雲の墓標』『暗い波濤』『山本五十六』『井上成美』など。
猪瀬直樹 (いのせ なおき)
作家。 1946(昭和21)年生まれ。
著書に『ミカドの肖像』(大宅壮一賞、ジャポニズム研究学会特別賞)『日本国の研究』(文藝春秋読者賞)『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』など。
中西輝政 (なかにし てるまさ)
京都大学教授。 1947(昭和22)年生まれ。 京都大学法学部卒業。
ケンブリッジ大学歴史学部大学院卒業。
著書に『大英帝国衰亡史』『優雅なる推定の世紀』(共著)など。
秦郁彦 (はた いくひこ)
日本大学教授。 1932(昭和7)年生まれ。 東京大学法学部卒業。
著書に『軍ファシズム運動史』『昭和史の謎を追う』『現代史の争点』『慰安婦と戦場の性』など。
福田和也 (ふくだ かずや)
慶應義塾大学助教授。 文芸評論家。 1960(昭和35)年生まれ。
慶應義塾大学文学部卒業。
著書に『日本の家郷』『近代の拘束 日本の宿命』『魂の昭和史』など。
(続く)
| 固定リンク
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】服部文祥さんの書評本(2022.06.14)
- 【読】2022年5月に読んだ本(読書メーター)(2022.06.01)
- 【読】桐野夏生 萌え!(2022.05.19)
- 【読】2022年4月に読んだ本(読書メーター)(2022.05.01)
- 【読】2022年3月に読んだ本(読書メーター)(2022.04.01)
「こんな本を読んだ」カテゴリの記事
- 【読】服部文祥さんの書評本(2022.06.14)
- 【読】2022年5月に読んだ本(読書メーター)(2022.06.01)
- 【読】桐野夏生 萌え!(2022.05.19)
- 【読】2022年4月に読んだ本(読書メーター)(2022.05.01)
- 【読】2022年3月に読んだ本(読書メーター)(2022.04.01)
「あの戦争」カテゴリの記事
- 【読】2021年12月に読んだ本(読書メーター)(2022.01.01)
- 【読】2021年 ぼちぼちいこうか総集編(今年読んだ本)その2(2021.12.27)
- 【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)(2019.12.28)
- 【読】今年も総集編(2019年・読書編 -1-)(2019.12.28)
- 【読】朝鮮戦争・朝鮮分断の起源(2019.08.23)
コメント