【楽】待っても春など来るもんか
もう一枚、中島みゆきの古いアルバムをひっぱりだして聴いていた。中島みゆき 『夜を往け』
1990/6/13 リリース ポニー・キャニオン
それほど聴いていないアルバムだと思っていたが、聴きなおすと、ほとんどの曲は耳になじみがある。
「with」 は、私の友人の息子さんが、まだ小学生だというのに、いたく気に入ったらしい。
たしかに、ストレートに訴えてくるものがある。
少年の心にも響く、なにかがあるのだろう。
♪ 僕の言葉は意味をなさない
まるで遠い砂漠を旅してるみたいだね ……
♪ 旅をすること自体おりようとは思わない
手帳にはいつも旅立ちとメモしてある
けれど
これに続くリフレインが好きだ。
♪ with・・・その後へ君の名を綴っていいか
with・・・淋しさと虚しさと疑いとのかわりに
中島みゆきの詩の才能がいかんなく発揮されていると思う。
もう一曲、「北の国の習い」 がいい。
中島みゆきの数ある楽曲のなかに、いくつかこういうコミカルな歌があって、なにやらほっとする。
歌いだしが意表をつく。
♪ 離婚の数では日本一だってさ
大きな声じゃ言えないけどね ……
調子にのって歌詞をそのまま書き写していると、どこからか苦情が来そうなので、概略、こういう内容だ。
離婚の数では日本一
しかも女から口を切って 一人になることを選ぶ
北国 (これはどうしても北海道がイメージされる) の女は 「耐えない」 から ……
私はそうは思わないが、このあたり、北海道生まれで札幌の大学に学んだ 「道産子」 の彼女自身の自嘲なのか。
この歌も、サビのリフレインが秀逸だ。
♪ 待っても春など来るもんか ……
そう。そのとおり。
もう一曲、「あした」 も、私が大好きな曲だ。
歌詞にいきなり登場する 「イヤリング」「フリルのシャツ」 といった、いわば小道具が効いている。
ここにも彼女の詩才が感じられる。
【収録曲】 全10曲
夜を往け/ふたつの炎/3分後に捨ててもいい/あした/新曽根崎心中/君の昔を/遠雷/ふたりは/北の国の習い/with
全体に曲調がもっちゃりとして、アレンジも重厚すぎる難しい曲が多いので、それほど好きなアルバムではないが、そこはそれ、腐っても中島みゆき。
きらりと光る佳曲が何曲かあるのだ。
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