【読】再読 『満州国演義 2 ―事変の夜―』
ようやく二冊目を読みおえた。
船戸与一
『満州国演義 2 ―事変の夜―』
新潮社 2007/4/20発行 1800円(税別)
1930年(昭和5年)、「満州事変」(1931.9.18)の前年から、1932年1月の「上海事変」まで。
敷島四兄弟は、それぞれの立場から、この二つの「事変」に深くかかわっていく。
主人公たちはもちろん架空の人物だが、史実が小説のベースになっている。
その史実の説明が、ときに鬱陶しく感じられたりもするが、とにかく面白い。
ここまでの二巻は、週刊新潮に連載されていた基本稿に五百枚程度の加筆修正を施して上梓されたものだという。
二冊、同時発売である。
この二巻目の巻末に、著者による 「後記」 が掲載されていて、参考文献もあげられている。
じつに興味ぶかい。
以下、「あとがき」 から。
<筆者は昭和十九年の生まれで飢餓体験はあても戦争の記憶はもちろん中国で九・一八(チュウ・イーパー)と呼ばれる満州事変前後の事情となるともはや遥かなる記憶でしかない。 したがって執筆にあたってはすべて資料に頼った。>
<小説は歴史の奴隷ではないが、歴史もまた小説の玩具ではない。 これが本稿執筆の筆者の基本姿勢であり、小説のダイナミズムを求めるために歴史的事実を無視したり歪めたりしたことは避けて来たつもりである。>
参考文献としてあげられている書籍の中で私の興味をひいたのは、上坂冬子 『男装の麗人川島芳子伝』(文藝春秋)、角田房子 『甘粕大尉』(中央公論社)、平岡正明 『石原莞爾試論』 (白川書院) の三冊。
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