【読】水木しげる「ラバウル戦記」(続)
水木しげるの 『ラバウル戦記』 (ちくま文庫)の続き。こんないい話も書いてある。
敵の目を盗んで、ネープル河を、夜、小舟で渡ったときの感慨。
<月夜の乗船は不気味だったが、とてもきれいだった。ほとんどの兵隊は、生きて再びこの川を渡ることはなかった。それだけに、この渡河はバカに印象的だった。(なぜかよく覚えている。)>
<人の生き死にほど不平等なものはない。特に、戦死したものとそうでもないものの差、これほど大きいものはない。もっとも、生きることを無上の価値としてみたときの話だが。人間は本来〝平等〟が好きで、運のある人が不運になったりすると、みな安心したりする。要するに、〝幸福の一人じめ〟みたいなことをきらうわけだ。>
<平等は、決して悪いことではないし、いいことだが、どうも自然とか運命というやつは平等でないようだ。若くして、食うものも食わずに死ぬのは気の毒なことだ。どうしてそんなバカなことがあるのだろうと、五十年間考えてきたが、頭が悪いせいか、いまだに結論が出ない。>
年末だったか年始だったか、水木しげるさん夫妻が出演する番組を見た。
(ビートたけしが司会する番組 『誰でもピカソ』 だったように思う)
たけしの誰でもピカソ:テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/pikaso/
86歳の水木さんは、話しぶりもしっかりしていたが、やはりとぼけた印象の人だった。
こういう人、好きだな。
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コメント
水木しげるといえば「ゲゲゲの鬼太郎」しか知らない私にとっては参考になるお話でした。少しづつ読んでみます。
投稿: 玄柊 | 2009年1月17日 (土) 19時10分
>玄柊さん
私も、少し前までは水木しげるさんのことをよく知りませんでしたが、戦争体験がこの人のターニングポイントになったように思います。
投稿: やまおじさん | 2009年1月17日 (土) 22時12分