【読】こんな本をみつけた(JAL機内誌をきっかけに)
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この記事は、昨夜書いて一度アップしたものの、すぐに非公開にした。
石川直樹さんという人について、私はまったく未知だったので、少しネットで調べてみたのだった。
その結果、意外な情報を目にして、ちょっと怯んでしまった。
しかし、一夜明けて、考えなおした。
情報というものはいわば無限であり、ことにネット情報の真偽はにわかに判断できないものが多いのだから、今現在、じぶんが知っている情報をベースに書くことは、けっして悪いことではない、と。
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年末、帰省の折、JALの機内誌 「スカイワード SKYWARD」 に目を引く写真があった。
カナダのクイーン・シャーロット島の写真だ。
『SKYWARD 2008/12月号』
http://www.jal.co.jp/inflight/skyward/0812.html
「カナダ 神話の時間」
撮影・文 石川直樹
石川直樹という人を私は知らなかったが、1977年生まれのまだ若い人らしい。
写真は、星野道夫さんを思いおこさせる、ハイダ族の人々やトーテムポール、自然風景などを撮ったものだ。
写真のタッチが星野さんに似ているなと思いながら文章を読んでいると、こんなフレーズがあって、思わずニヤリとした。
<トーテムポールを見て引き返す旅行者が多いのだろう、奥へ向かう道は苔むしていて、緑の密度が圧倒的に濃い。 (中略)倒れた倒木が苗床になってさらに若木が生長していくさまは、この世界の生命が長い旅の途上にあることを端的に表している。木々は常に朽ち、一方で森は常に誕生し続けているのだ。>
星野道夫さんの本のタイトルにもなっている、「長い旅の途上」 という言葉を、この人は意図的に使っているのだと思う。
年齢からみて、星野さんの写真や著作から強い影響を受けた世代とも思える。
写真がみごとだったので、この機内誌を持ち帰り、家に帰ってから調べてみたら、魅力的な本があった。
石川直樹 『いま生きているという冒険』
2006年 理論社 1400円(税別) 279ページ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4652078161
図書館にリクエストして、今日、手にすることができた。
(近隣の別の市の図書館からまわってきた。親切である)
石川直樹(いしかわ・なおき)
1977年東京都生まれ。高校時代にインドを一人で旅して以来、世界中を旅するようになる。2000年に地球縦断プロジェクト「POLE TO POLE」に参加し、北極から南極まで人力で踏破。2001年にはチョモランマに登頂し、世界七大陸最高峰登頂の最年少記録を塗りかえた。2002年に早稲田大学を卒業。2004年、熱気球による太平洋横断に挑戦。現在、東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程に在学しながら、写真・映像作品を制作。人類学、民俗学などの領域に関心をもち、行為の経験としての移動、旅などをテーマに、文章・写真作品を発表している。(以下、略)
=本書巻末の著者略歴より=
略歴をみると驚くほど行動的な人で、写真もダイナミックだ。
今日から読みはじめるこの本も、カラー写真満載で、楽しみである。
この本の内容
1章 世界を経験する方法としてのインド インド一人旅
2章 冒険に出かけよう アラスカの山と川
3章 自分の目で見て、身体で感じること 北極から南極へ
4章 いま生きているという冒険 七大陸最高峰とチョモランマ
5章 心のなかに島が見えるか ミクロネシアに伝わる星の航海術(スターナビゲーション)
6章 惑星の神話へ 熱気球太平洋横断
7章 もう一つの世界へ 想像力の旅
【2009/3/3 再掲載】
わけあって、この記事へのコメントは受け付けません。あしからず。
【2009/3/3 追記 参考サイト】
車横転、邦人女性が死亡/アルゼンチン、冒険家けが―四国新聞社
http://www.shikoku-np.co.jp/national/international/article.aspx?id=20051004000008
冒険家・探検家・研究者 石川直樹(いしかわ・なおき)
http://bouken.blog28.fc2.com/blog-entry-2.html
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