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2009年3月27日 (金)

【読】高野秀行さんに、はまる

図書館から借りてきた松本清張の本は、読まないまま返却しよう。
『昭和史発掘』は文庫版を四冊手に入れたことだし、『遠い接近』(カッパブックス)は活字が小さすぎて読むのがつらいので。

高野秀行さんの本がおもしろく、はまってしまいそうだ。

Takano_ahen_oukoku_2高野秀行 『アヘン王国潜入記』
 集英社文庫  2007/3/25発行
 387ページ  667円(税別)
 親本 『ビルマ・アヘン王国潜入記』 1998年10月 草思社

ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州に、非合法で入国し(つまり密入国)、七か月にわたってケシ栽培を体験し、おまけにアヘン中毒まで体験するという、すごいものだ。


カバー写真がいい。
ケシ畑で、銃器をもった兵士たちが屈託なく笑っている。
撮影したのは、この本の著者 高野さん。
よほど気を許してくれなければ、こういう写真は撮れないものだ。

高野さんは、いささかの気負いもなく、辺境の民にとけこむことができる才能をもっているようだ。

ミャンマーには少数民族がたくさんいて、複雑な情勢を呈している。
巻頭に、「ミャンマー少数民族居住州」「シャン州の武装勢力支配区」の二枚の地図があり、「本書に登場する主な人物」一覧が掲載されている。
まるで、船戸与一の小説だ。

そうそう。
うれしいことに、巻末の解説が船戸与一。

<……ビルマの辺境は秘境中の秘境だと言っていいだろう。そこで何が起きているかを報告できるのは新聞記者やTVクルウではない。時間を気にする連中には向いていないのだ。それはフリーランスのみが可能であり、その証左が本書なのである。> (船戸与一による解説)


ちなみに、船戸与一はこの解説の冒頭で、ミャンマー(ビルマ)の国名についてこう書いている。
船戸さんらしく、爽快だ。

<海外のある民族や国家の呼称について喧(かまびす)しく論議されるようになってから二十数年が経つように思う。従来からの慣例に従えば差別主義者と誣(し)いられ、国際化しつつある用語を使えば軍事独裁の擁護者という烙印が待ち受けているのだ。>

<これらの議論はたいてい現地を知らない連中によって交わされる。それは単に政治的立場の表明であたり、ひとりよがりの倫理観の発露として行なわれているにすぎない。もううんざりだ。>

<タイ、ラオス、中国、インド、バングラディッシュの五ヶ国に囲まれた五千万の人口を持つ六十七万六千平方キロの地域の国名を何と呼ぶかはいまも日本では問題になっている。
わたしにはどっちでもいい。そういう議論に首を突っ込む気はさらさらない。
高野秀行はもっとないだろう。
彼はビルマと呼ぼうがミャンマーと謂おうが、そういう呼称とは無縁の山奥で暮して来たのだ。……>


今日は、高野さんの本を二冊仕入れてきた。

 『巨流アマゾンを遡れ』 (集英社文庫 2003年)
 『西南シルクロードは密林に消える』 (講談社 2003年)

前者は、勤務先近くのBOOK OFFで。
後者は、帰り道、新宿のジュンク堂に立ち寄って。
これは、ぜひ読みたかったのだ。

これでまた、本がふえてしまった。
今年は百冊以上読もうと、ひそかに目標をたてているのだが、どんどん読まない(読めない)ままの本が……。
だが、この二冊は、確実に読むことだろう。


Takano_amazonTakano_sylkroad

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コメント

ハハハ、ツボにハマってしまってますね(^^♪

>高野さんは、いささかの気負いもなく、辺境の民にとけこむことができる才能をもっているようだ。

私が思うに高野さんは語学のセンスが抜群なのだと思います。どのような場所に行く時でも必ず現地語を勉強してコミュニケーションに不自由しない準備をして出かけているのは本当にすごいことです。

あと、それぞれの本の内容には言及しませんが、
アマゾンの本は巻頭カラーページのアルパカの赤ちゃんがものすごく可愛いです。

で、トドメの一発です。

青山潤 アフリカにょろり旅 講談社文庫 630円

世界には18種類のウナギがいるそうで、東大海洋研究所では17種類の標本を集めることができたのですが、最後の1種類がどうしても手に入らなくて、アフリカのマラウイという国まで捜しに行くというお話。

ちなみに解説は高野秀行さんです(爆)

投稿: こまっちゃん | 2009年3月28日 (土) 00時07分

>こまっちゃん

>私が思うに高野さんは語学のセンスが抜群なのだと思います。どのような場所に行く時でも必ず現地語を勉強してコミュニケーションに不自由しない準備をして出かけているのは本当にすごいことです。

たしかに、高野さんの語学力・センスは並はずれていますね。
船戸与一の解説によれば、高野さんは―――
英語、仏語、西語、北京語、タイ語、シャン語、ワ語、ビルマ語を話し、船戸さんが
 「そんなに外国語を覚えて、頭の中がごちゃ混ぜにならないか?」
と聞くと、
 「人間の脳にはキャパシティがあるから、ひとつの言語を覚えると、まえに覚えた言語がいったん脳から追いだされるけど、その言語の地にたつと追いだされた言語がまた脳に戻ってくる」
と答えたとか。

トドメのおすすめ本は、e-honサイトのお気に入りにしっかり登録しておきました。

投稿: やまおじさん | 2009年3月28日 (土) 06時54分

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