【読】内村剛介さんの死
もう、ひと月以上も前のことだが、新聞の死亡記事で知った。
記事を切り抜いたつもりだったが、みつからない。
おくやみ:内村剛介氏 | 訃報ドットコム
http://fu-hou.com/2360
内村剛介 | blog 死亡欄
http://bohyo.blog84.fc2.com/blog-entry-1601.html
内村剛介 『生き急ぐ スターリン獄の日本人』
三省堂新書 1967年9月20日発行
https://amzn.to/4dFtHza
https://amzn.to/3Yh4ExS
内村剛介さんの著書は、『生き急ぐ スターリン獄の日本人』 ぐらいしか読んでいないが、気になる人ではあった。
満州で敗戦をむかえ、ソ連で長い抑留生活を体験した人として、ずっと気にかかっている。
『生き急ぐ』 を読んだ当時(今から30年も前だろうか)、私は「あの戦争」に今ほど関心がなかったせいか、この人のことを深く知ろうと思わなかった。
内村さんの戦争体験を知りたくなった。
ネットで、こんな本をみつけて、入手したのはつい先日のこと。
ボリュームのある内容なので、いつ読めるかわからないが。
『内村剛介 ロングインタビュー
生き急ぎ、感じせく――私の二十世紀』
陶山幾朗/編集・構成
恵雅堂出版 http://www.keigado.co.jp/
2008年5月25日発行
407ページ 2800円(税別)
気合いをいれて本気で格闘しないと読めそうもないが、魅力的な本ではある。
それにしても、こういう先達が世を去っていく、そんな年齢にじぶんが達したということなんだろう。
内村剛介 本名 内藤操。
1920年(大正9年)栃木県生まれ。1945年から56年までソ連に抑留。
2009年1月30日死去。88歳。
私の父よりもすこしだけ上の世代。
私の父は、海軍の飛行練習生だったと聞いているが(詳しいことを聞かないうちに亡くなってしまった)、出陣前に国内で敗戦を迎えた世代だった。
こんど、母に詳しく聞いてみようと思う。
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コメント
岸本君がもう亡くなっていたとは・・・、絶句し、茫然としています。数日前、本を取り寄せ、読んだところです。明るく、良い文体に、良い人生を送られたのだなと思いました。ながぬまみやこ、いまは○○姓ですが。・・・・・・が電話です。ケータイもなく、メールアドレスもつくっていないので・・・。
投稿: ながぬまみやこ | 2009年3月12日 (木) 10時01分
ながぬまさん
コメントありがとうごさいます。個人情報が公開されていましたので、いったん非公開とさせていただきました。
帰宅後、お返事さしあげます。
投稿: やまおじさん | 2009年3月12日 (木) 12時38分
ながぬまさん
あらためまして。
ご連絡(コメント)ありがとうございます。
お名前を拝見して、懐かしさでいっぱいです。
うれしかったので、完司くんの本の編集に携わった友人のUくんにも知らせました。
彼からも、よろしくとのことです。
>明るく、良い文体に、良い人生を送られたのだなと思いました。
まったくそのとおりですね。
彼の文章は、明るくてとてもいいと、私も思います。
「文は人なり」
私は、彼の死にたちあうことができませんでしたが、いまでも私のこころのなかに生きている友人です。
このブログには、完司くんのことをずいぶん書きました。
高校山岳部の頃のことも、「山日誌」に書いています。
顧問だったH先生からいただいた年賀状のことなども。
……なつかしいおもいでがたくさんあります。
いつか、ご連絡がとれるようになって、完司くんに縁のあった人たちが集まって、語りあう機会がありますように。
おせっかいかもしれませんが、GoogleのGmailというフリー・メールをご利用になるのもいいと思います。
メールソフト不要で、インターネットからメールが利用できます。
私の公開アドレス(このブログのプロフィール欄に記載)もそれです。
追伸
いただいたコメントの中の、あなたの個人情報部分は伏字にして、再公開させていただきました。
投稿: やまおじさん | 2009年3月12日 (木) 21時23分
ながぬまさんのコメントであのころをおもいだし 久しぶりに本を取り出してきました そしてエセーニンやブロークの項を そして「十二」を読み返しました
このひとの文体が好きです そのさわりをほんの少し翻訳から
もちろんブロークはわれわれの仲間ではないのだが、とにかくわれわれの方へやみくもに突っ込んできた。突っ込み、悶え、そして何かが裂け、切れた。とはいえ、この彼の突撃の果実として、われわれの時代の最も意義深い作品が現われたのだ。叙事詩「十二」は永遠に残る。
(トロツキー『文学と革命』Ⅰ第三章 アレクサンドル・ブローク論 現代思潮社 1969)
黒い夕方。
白い雪。
かぜ、かぜ!
立っちゃいられぬ。
かぜ、かぜ――
かぜ、世をおおう。
(……)
ね、憶えてるでしょ
出っぱらのおとおりってなこと
これみよがしの出っ腹に
十字架の七光りってね?
それからあそこ カラクルぐるみの奥方と
またぞろ大奥さまのでっくわし
『そりゃもう泣きました 泣きゃんした』
するッとすべって
あッ、すっとーんとのびちゃった!
(……)
……かくて行く 威容の歩み
従うは――飢えし犬
行方――血まみれの旗もち
吹雪に姿見せず
銃丸も損なわざりし
吹雪の空高き 柔和なる足の運び
散り崩る雪の真珠
ばらの白きをかんむり――
行くてに――イエス・キリスト
(ブローク「十二」『文学と革命』第Ⅰ部の末尾に収載)
国立国会図書館の蔵書データです
発行年の逆年順で出力しました
1. 内村剛介著作集. 第1巻 / 内村剛介[他]. -- 恵雅堂出版, 2008.8
2. トロツキー選集. 第11巻 / トロツキー. -- 現代思潮新社, 2008.3
3. 内村剛介ロングインタビュー / 内村剛介[他]. -- 恵雅堂出版, 2008.5
4. 秋山清著作集. 別巻 / 秋山清[他]. -- ぱる出版, 2007.3
5. 見るべきほどのことは見つ / 内村剛介. -- 恵雅堂出版, 2002.6
6. 生き急ぐ / 内村剛介. -- 講談社, 2001.6. -- (講談社文芸文庫)
7. わが身を吹き抜けたロシア革命 / 内村剛介[他]. -- 五月書房, 2000.7
8. ラーゲリ(強制収容所)註解事典 / ジャック・ロッシ[他]. -- 恵雅堂出版, 1996.10
9. スターリン獄の日本人 / 内村剛介. -- 中央公論社, 1985.3. -- (中公文庫)
10. 日本よこれが21世紀への道だ / 殿岡昭郎. -- 高木書房, 1982.5
11. 小川国夫光と闇. -- 小川国夫, 1981.6
12. ロシア無頼 / 内村剛介. -- 高木書房, 1980.5
13. 世界文学全集. 41 / 五木寛之. -- 学習研究社, 1979.7
14. 失語と断念 / 内村剛介. -- 思潮社, 1979.10
15. 流亡と自存 / 内村剛介. -- 北洋社, 1979.9. -- (北洋選書)
16. だれが商社を裁けるか / 内村剛介. -- 高木書房, 1979.7
17. マーシャの日記 / マーシャ・ロリニカイテ[他]. -- 集英社, 1979.7. -- (集英社文庫)
18. 人類の知的遺産. 51. -- 講談社, 1978.5
19. 文学と革命 / トロツキー[他]. -- 現代思潮社, 1975.3-1977.10
20. 定本生き急ぐ / 内村剛介. -- 国文社, 1977.2
21. ロシヤ風物誌 / 内村剛介. -- 西田書店, 1977.6
22. 岩波講座文学. 5. -- 岩波書店, 1976
23. 科学の果ての宗教 / 内村剛介. -- 講談社, 1976. -- (講談社学術文庫)
24. 妄執の作家たち / 内村剛介. -- 河出書房新社, 1976
25. 初原の思念 / 内村剛介. -- 白馬書房, 1975
26. 鮎川信夫著作集. 9. -- 思潮社, 1975
27. 小川国夫光と闇 / 吉田精一. -- おりじん書房, 1974
28. 鮎川信夫著作集. 5. -- 思潮社, 1974
29. ナロードへの回帰 / 内村剛介. -- 二月社, 1974
30. 呪縛の構造 / 内村剛介. -- 増補版. -- 現代思潮社, 1974
31. 幕末は終末 / 内村剛介. -- 新人物往来社, 1974
32. 現代ロシヤ抵抗文集. 8 / 編集:内村剛介. -- 勁草書房, 1973
33. 信の飢餓 / 内村剛介. -- 冬樹社, 1973
34. ふるさとの文学. 1. -- 文京書房, 1973
35. 文学と人間の生き方 / 桑原武夫. -- 講談社, 1973
36. 愚図の系譜 / 内村剛介. -- 白馬書房, 1973
37. モルダウの重き流れに / 五木寛之. -- 文芸春秋, 1973. -- (五木寛之作品集 ; 9)
38. 五木寛之作品集. 9. -- 文芸春秋, 1973
39. 現代の文学. 22. -- 講談社, 1973
40. ドキュメント現代史. 4. -- 平凡社, 1973
41. 20世紀の詩人たち. -- 芸術生活社, 1972
42. 現代ロシヤ抵抗文集. 7 / 編集:内村剛介. -- 勁草書房, 1972
43. 現代ロシヤ抵抗文集. 6 / 編集:内村剛介. -- 勁草書房, 1972
44. 流亡と自存 / 内村剛介. -- 北洋社, 1972
45. 現代ロシヤ抵抗文集. 5 / 編集:内村剛介. -- 勁草書房, 1971
46. 現代ロシヤ抵抗文集. 4 / 編集:内村剛介. -- 勁草書房, 1971
47. ソルジェニツィン・ノート / 内村剛介. -- 河出書房新社, 1971
48. ロシヤ文学と実存 / ミハイロ・ミハイロフ[他]. -- 紀伊国屋書店, 1971. -- (現代文芸評論叢書)
49. 独白の交錯 / 内村剛介. -- 冬樹社, 1971
50. 鹿とラーゲリの女 / ソルジェニツィン[他]. -- 河出書房新社, 1970
51. 現代ロシヤ抵抗文集. 3 / 内村剛介. -- 勁草書房, 1970
52. 現代ロシヤ抵抗文集. 2 / 内村剛介. -- 勁草書房, 1970
53. 現代ロシヤ抵抗文集. 1 / 内村剛介. -- 勁草書房, 1970
54. 道標 / 小西善次. -- 現代思潮社, 1970. -- (ロシア群書 ; 1)
55. われらの内なる反国家 / 大沢正道,内村剛介. -- 太平出版社, 1970
56. 文学と革命. 第2 / トロツキー[他]. -- 現代思潮社, 1969. -- (トロツキー文庫)
57. 文学と革命. 第1 / トロツキー[他]. -- 現代思潮社, 1969. -- (トロツキー文庫)
58. 呪縛の構造 / 内村剛介. -- 増補版. -- 現代思潮社, 1969
59. わが思念を去らぬもの / 内村剛介. -- 三一書房, 1969
60. ドキュメント日本人. 第10. -- 学芸書林, 1969
61. エセーニン詩集 / 内村剛介. -- 弥生書房, 1968. -- (世界の詩 ; 53)
62. 生き急ぐ / 内村剛介. -- 三省堂, 1967. -- (三省堂新書)
63. マーシャの日記 / マーシャ・ロリニカイテ[他]. -- 雪書房, 1966
64. 呪縛の構造 / 内村剛介. -- 現代思潮社, 1966
65. トロツキー選集. 第11. 文学と革命. -- 現代思潮社, 1965
投稿: uji-t父 | 2009年3月16日 (月) 23時28分
内村剛介も亡くなっていたとは・・・。岸本君が、高校生のころ、読んでいたなあ・・・。あのころのことは、あんまり思い出さないようにしていたんだけど・・・。
投稿: みやこ | 2009年3月17日 (火) 08時25分
>uji-t父さん
いつもいろいろと教えてくれて、ありがとう。
こんなにたくさんあるんですね。
>みやこさん
完司くんも高校の頃から内村剛介を読んでいたんですね。
もう、遠い昔のことですが、ときどきふと思いだすことがありますね。
投稿: やまおじさん | 2009年3月17日 (火) 21時28分
内村剛介氏についての関連記事、拝読しました。
参考までに内村剛介氏の生前昨年6月から年末までの書評などをお知らせします。
「週刊文春」6月5日号私の読書日記(生き急いだ昭和の男たち 鹿島茂)
「朝日新聞」6月5日夕刊(名古屋版)学芸蘭「内村剛介とロシア」陶山幾朗
「中日新聞」6月18日中部の文芸欄(清水信)
「読売新聞」6月29日読書欄(田中純 思想史家)
「正論」11月号 読書欄(鈴木肇 ロシア研究家)
「諸君!」8月号 読書欄(三浦小太郎 評論家)
「論座」8月号 読書欄(白井聡 日本学術振興会特別研究員)
「毎日新聞」7月6日読書欄
「東京新聞」7月5日コラム「大波小波」
「Voicde」9月号 読書欄(「この著者に会いたい」陶山幾朗、仲俣暁生)
「週刊読書人」6月13日号(1頁陶山幾朗、3頁大室幹雄、頁陶山幾朗)
「図書新聞」7月5日号(1頁陶山幾朗、3頁工藤正廣)
「JijiTopConfidential」10月17日号(3頁陶山幾朗、高田信二)
「週刊読書人」12月12日号(半頁 沼野充義)
「毎日新聞」12月14日読書欄「2008年この3冊」鹿島茂
「週刊読書人」12月19日号(2008年印象に残った本 齋藤慎爾)
「図書新聞」12月27日号(08年アンケート 四方田犬彦)
「みすず」年末号(アンケート3名)
そして1月30日に亡くなってから追悼記事が各紙に載りました。括弧内は記事記入者。
毎日新聞(沼野充吉)、
東京新聞(吉本隆明)
図書新聞(工藤正廣)
週刊読書人(亀山郁夫)
産經新聞(麻田平草)
参考になればと思いお知らせしました。(恵雅堂出版)
投稿: 宮明 | 2009年3月23日 (月) 10時27分
>宮明さま
コメント、ありがとうございます。
出版社の方に読んでいただき、恐縮です。
新聞記事の情報も、ありがとうございます。
たいへん参考になります。
恵雅堂出版様のサイトのURLを、私の記事に追加させていただきます。
投稿: やまおじさん | 2009年3月23日 (月) 20時21分
やまおじさんへ、
恵雅堂出版のURLの追加アップ、有り難うございます、感謝いたします。
光栄です。これからも良い本作りに気合いが入ります。
投稿: 宮明 | 2009年3月25日 (水) 21時28分