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2009年3月23日 (月)

【読】快調、船戸与一

土曜日に、図書館から松本清張の本を三冊借りてきたが、日曜日に追加で借りた船戸与一を先に読んでいる。

書名 遠い接近(カッパ・ノベルス)
著者名 松本清張著
出版社 光文社
出版年月 1979

書名 昭和史発掘 1
著者名 松本清張著
出版社 文藝春秋
出版年月 1974

書名 昭和史発掘 2
著者名 松本清張著
出版社 文藝春秋
出版年月 1974

松本清張は、ちょっと辛気臭く、なかなか手をつけられない。


Funado_kahan_ni_shirubenaku書名 河畔に標なく
著者名 船戸与一著
出版社 東京 集英社
出版年月 2006.3
価格 1900円
ページ数 493p
大きさ 20cm
ISBN 4-08-774804-9
抄録 ミャンマー山岳地帯で200万ドルを載せたヘリが墜落。この金を巡って、後ろ暗い経歴をもった男たちが密林を彷徨う。裏切りの夜を生き抜き、この国を「永住の地」とし得るのは誰か? アジアの深き闇を描く、迫力の冒険巨編。
著者紹介 〈船戸与一〉1944年下関市生まれ。早稲田大学法学部卒。79年「非合法員」でデビュー。「伝説なき地」で日本推理作家協会賞、「砂のクロニクル」で山本周五郎賞、「虹の谷の五月」で直木賞を受賞。  (小平市立図書館のデータ)


船戸小説特有の、登場人物がたくさんでてきて、それぞれの視点から物語が展開するというストーリーに、読み始めはなかなかつらいのだが、やがて、読んでいるこちらに登場人物のイメージができてくると、慣れてくる。
そうなればしめたもの。

物語のうねりのようなものが感じられて、たまらないのだ。

船戸ファンならではの、読書の醍醐味である。
本日、快調に、三分の一まで読みすすむ。


これは私の持論であって、異論のある向きも多いと思うが、小説は面白くなくちゃいけない。
いわゆる「純文学」(いまどき流行らない言葉だが)が、私は苦手であり、なかなか読めない。


Takano_myanmaそういえば、先日読んだ高野秀行さんの本 『ミャンマーの柳生一族』 に、おもしろいことが書いてあった。

ミャンマーでは、貸本屋が大繁盛していて、読書大国だという。
識字率も83パーセントという(1995年の十五歳以上のミャンマーの識字率、高野さんの本より)。
高野さんが聞いたところでは、冒険もの、恋愛もの、幻想もの、といった大衆小説がよく読まれているらしい。

たとえば――
<二千六百年前から輪廻転生しながら生きつづける絶世の美女、彼女の切り取られた右手首、その右手首に刺青で刻まれた不思議な印、その印が引き起こす不可思議な悲劇、その悲劇に巻き込まれる男と女、彼らを救おうとする謎のインド人修行者や中国人僧侶……。>

これは、ミンテインカという現代ミャンマーの最高人気作家のベストレンタル小説 『マヌサーリー』 の内容として、高野さんが紹介しているもの。
この小説は、高橋ゆりさんの翻訳で、日本語訳が出版されているそうだ。


『ミャンマーの柳生一族』 (集英社文庫)の第四章の扉(P.164)には、「巨大ウリの上で読書する少女」 のモノクロ写真が掲載されている。
この写真が、いい雰囲気である。
高野さんも、この少女に惚れてしまったようで、次のように書いている。

<茶を飲み終わって、またぷらぷらと大木並木を歩いて宿に戻った。/大木のたもとで物売りが品を広げている。彼らもまた本を読んでいる。
 (中略)
その中に、川を背にして、ツバの広い麦わら帽子をかぶった三つ編みの少女がいた。彼女は、売り物である巨大なウリがゴロゴロ転がっている上にすわって、私が見つめるのにも気づかず、一心不乱に本を読んでいる。/大木の木陰で人が本を読む姿は美しい。そして、やっぱり可憐な少女の読書姿のほうがコワモテの冒険作家よりもはるかに絵になるのだった。>


「コワモテの冒険作家」とは、言うまでもなく、船戸与一氏である。

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コメント

 今朝、犬とネコと散歩に行くとウグイスが鳴いていました。快晴の空に白木蓮に木蓮、ソメイヨシノも咲いていて、良い季節です。
 船戸与一は豊浦志郎名義でハードボイルド論を書いていませんでしたか?桐野夏生デビューのころ、女性ハードボイルド探偵は可能かと考えて、示唆されること大きかったです。『蝦夷地・・』のころから、読まなくなっていたけれど、最近のまた読んでみたくなりました。船戸さんのは、ルポルタージュも怒りの気分が伝わってきましたね。理不尽な現実にめげないところ、なんとなく、はげまされたような気がします。

投稿: みやこ | 2009年3月24日 (火) 10時46分

>みやこさん

豊浦志朗名義のハードボイルド論とは、これかも。
私は読んでいないのですが。
『硬派と宿命―はぐれ狼たちの伝説』 (世代群評社、1975年)

『叛アメリカ史』(豊浦志朗)
『国家と犯罪』(船戸与一)
この二冊は文庫で読みました。

『蝦夷地別件は』二度(三度かも)読んだほどの愛読書です。
最近のものはあまり読んでいないのですが、『満州国演義』には、はまりました。
たくさん書いているのでこれからも楽しみな作家ですね。

投稿: やまおじさん | 2009年3月24日 (火) 21時02分

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