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2009年4月24日 (金)

【読】この本もおもしろかった

高野秀行さんの新刊を、あっというまに読んでしまった。
通勤電車とバスの中、二日間でほとんど読み、最後の数ページは、今夜帰宅後いっきに読んだ。


Takano_memory_quest高野秀行 『メモリークエスト』
 幻冬舎  2009/4/10発行
 327ページ  1400円(税別)

どんな内容かまるで知らずに買った本である。
「メモリークエスト」という題名から、勝手に、藤原新也の『メメント・モリ-死を想え-』のような内容を想像していた。
(藤原新也のこの本は、あいにく読んでいないけれど、なんとなく雰囲気が……)

まったくちがった。
高野さんの独壇場とも言える、世界をまたにかけたドタバタ旅行記。
それも、他人の探し物(人探し)を異国で実践(代行)するという目的をもった、じつにユニークな企画だ。

タイから、セーシェル(インド洋、アフリカ大陸の東にある小国)、南アフリカ共和国、そして、旧ユーゴスラビアと、行き先にはなんの脈略もない。

ひたすら、他人から依頼された探しもの(幻冬舎のWebマガジンで読者から募集、26件の応募があった)、「これを探してほしい」というリクエストに応える、世界を股にかけた旅。

他人の古い「記憶」を「探しに行く」旅だから、メモリークエスト(Memory Quest)というわけだ。

どの逸話も面白いが、私がとくに気に入ったのは、セーシェルの「春画おやぢ」探しだ。
ここに詳しくは書かないけれど、愉快だった。


あえて購入まではオススメしないけれど、読んで損はない一冊。
もちろん買っていただいてもかまわない。
その方が著者は喜ぶだろうし、新刊なので図書館で借りられるようになるまで時間がかかるだろうから。

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コメント

面白い順でいえば、

南アフリカ
セイシェル
セルビア
タイ1
タイ2

上位3ヶ国は高野氏にとっては初訪問の国なので緊張感が伝わってきて読み応えがありました。

色々感想は書きたいですが、まだ読んでおられない方にはネタばれになるので自粛します。

投稿: こまっちゃん | 2009年4月25日 (土) 10時53分

>こまっちゃん
本文では「セーシェル」と表記されていましたが、こまちゃんが書かれたように「セイシェル」という国名表記が一般的なようですね。
それにしても、こんな国があったとは・・・。

南アフリカ編も面白かったし、セルビア、タイ(1・2)も、予想外の展開が随所にあって、わくわくする内容でしたね。

なんだか、高野さんといっしょに旅をしている気分になれました。

投稿: やまおじさん | 2009年4月25日 (土) 11時01分

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