【楽】生きていてもいいんだよ
ひさしぶりに、中島みゆきのアルバム 『生きていてもいいですか』 を、レコードで聴いている。
1980年発売、初期のアルバムである。
一曲目 「うらみ・ます」 だけが、どうにも苦手なので、A面二曲目 「泣きたい夜は」 から、針をおろす。
A面最後の 「蕎麦屋」 が好きで、じつはこれが聴きたい気分になったのだ。
♪ 世界じゅうがだれもかも偉い奴に思えてきて
まるで自分ひとりだけがいらないような気がする時 ……
「おまえ」から電話がかかってきて、蕎麦でも食わないかと誘われる。
歌の主人公が中島みゆきの分身(女性)とするなら、ここで歌われている 「おまえ」 は、男ともだちだろうか。
♪ あのね、わかんない奴もいるさって あのね、わかんない奴もいるさって
あんまり突然云うから 泣きたくなるんだ ……
街なかにある、何のへんてつもない蕎麦屋で、男女が蕎麦かうどんを食べている。
(「おまえ」は丼ぶりに顔をうずめているが、何を食べているのか歌詞からは不明)
ラジオから大相撲中継が流れている。
店ののれんが、ぱたぱた風になっている。
「おまえ」 は、私の気をなんとか引き立てようとして、ダジャレ話をせっせと咲かせる。
私は、くやし涙を流しながら、たぬきうどんを食べている。
何が悔しいのか、やはり歌詞には明示されていないが、なんとなくわかる。
ここに、詳しい歌詞を載せられないが(なんたって天下のみゆきさんなのだ、著作権の壁がそびえている)、ひとつひとつの言葉のつかいかたが絶妙。
いい歌だ。
B面、最後の 「異国」 が、山崎ハコさんの世界によく似ていることに、今日気づいた。
このアルバムをだした頃、二人は同じレコード会社に所属。
交流もあったようだ。
アルバム全体としては、あまり好きなものではないが、「キツネ狩りの歌」(A面三曲目)、「蕎麦屋」(A面四曲目)、「船を出すのなら九月」(B面一曲目)の三つが好きだ。
それにしても、天気のいい四月の朝に、なんでこんな暗いアルバムを選んだのだろう。
外は、ようやく晴れてきた。
今日も暖かい一日だろう。
生きていてもいいんだよ。もちろん。
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