【楽】雨の朝に聴いた音楽 (石黒ケイ)
梅雨のような曇り空、雨模様の朝である。
気まぐれに、古いLPレコードを聴いている。
石黒ケイ YOKOHAMA RAGTIME
1982年 ビクター VIH-28078
ひところ、山崎ハコさんと並行して、石黒ケイさんを聴いていた時期があった。
あった、というのは、彼女はとっくに音楽活動から手を引いたようだし、アルバムも出さなくなったので、いつしか遠ざかってしまったのだ。
ひさしぶりに聴くこのアルバム、なかなか面白い。
石黒ケイさんは、歌もさして上手ではなく、彼女が作った楽曲も印象に残るものは少ないが(山崎ハコさんに提供した数曲はいい)、甘い歌声と美形で、私は好きだった。
ハコさんとのジョイント・コンサートを含めて、ライブでも何度か聴いた。
収録曲
(A面)
Driving Crazy ~第3京浜/My Lonely Town/雨/横浜ホンキートンク・ブルース/HONMOKU/港のマリア
(B面)
BANANA/Find Me/西日/トルコ軍楽/Baybridge Carnival/Hearty
「雨」(田口美由紀作詞/武藤祐二作曲)、「港のマリア」(石黒ケイ作詞・作曲)、「西日」(石黒ケイ作詞・作曲)がいい。
「港のマリア」のギターがいいなと思ったら、吉川忠英さんだった。
「横浜ホンキートンク・ブルース」(藤竜也作詞/エディ藩作曲)は、山崎ハコさんの歌唱にはとうてい及ばないものの、原曲の良さがよくでている。
横文字タイトルの曲は、いまひとつだ。
「BANANA」 という、ちょっとエロティックな歌(石黒ケイ作詞・作曲)が、いかにも彼女らしい。
(放送禁止ぎりぎりの歌詞だ)
ゴシップ的な噂話だが、彼女は桑田佳祐のいとこだという。
すっかり忘れていたが、シングル・レコードも何枚かあったので、ターンテーブルにのせて聴いてみる。
藤竜也がいいな。
キザになりきれない、渋い役者さんの歌。
「ヨコハマ・ホンキートンキー・ブルース」 C/W 「淑珍(スーザン)」
藤竜也 RCV RHS-60 1982年
「たとえばトム・ウェイツなんて聞きたい夜は……」がオリジナル歌詞らしい。山崎ハコさんは、「たとえばブルースなんて……」と歌う。
どっちがいいのかなぁ。
微妙なところだ。
石黒ケイさんのシングル(EP盤)と、初期アルバムを含むLP。
私も物持ちがいいな、と自分でもあきれる。
「かえしてYOKOHAMA」 (TBS系テレビ・ドラマ「夜明けのタンゴ」挿入歌) 1980年
「夢のリフレイン」 (フジテレビ系全国ネット金曜劇場「冬化粧の女たち」挿入歌) 1983年
「エル・チョクロ」 (映画「魔の刻」イメージソング)
写真は主演の岩下志麻、タンゴの名曲(日本語詩:阿木燿子)
「ものがたり」 1978年
山崎ハコさんの提供曲「笑いじょうご」収録
下田逸郎の提供曲「ラストシーン」というのも
「女は女」 1978年
ハコさんの提供曲「ケイのブルース」収録
「潮騒」 1979年
ハコさんの提供曲「トランペットよ教えて」収録
「アドリブ」 1980年
五木寛之プロデュース
彼女の最高傑作だと思う
ハコさんの提供曲「暗闇のラブ・ソング」「鍵」「明日はクール」
五木寛之作詞の「ひとり暮らしのワルツ」(イタリア民謡)がいい
石黒ケイの個性がよくでている
バック・ミュージシャンに、アート・ペッパーをはじめとするジャズ畑のつわものが参加
【過去の関連記事】
2006年4月25日 【楽】石黒ケイ
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_7c03.html
「アンダートーン」 1980年
「アドリブ」 の続編といえるコンセプトのジャズ風のアルバム
工藤順子の作詞曲が二曲収録されている
(「ミス・ポーカーフェイス」「飼い猫のブルース」)
ニューヨークでの録音
ベニー・カーター(as)、セシル・ブリッジウォーター(tp)、チャーリー・ロウズ(ts)など
錚々たるジャズ・ミュージシャンがバックをつとめる洒落たアレンジ
蛇足だが、工藤順子(作詞)/石黒ケイ(作曲)のコンビが、山崎ハコさんに 「サンクチュアリーへ」 という佳曲を提供している。
(山崎ハコ 「幻想旅行」 1981年 に収録)
「YOKOHAMA RAGTIME」 の後に、「You Remember Me」というアルバムもでていたと記憶するが、私は持っていない。
Wikipediaに、少し詳しい情報が載っていた。
女優業もやっていたことは、知らなかったし、音楽活動を再開したことも噂でしか知らなかった。
― Wikipediaより ―
石黒ケイ
神奈川県茅ケ崎市生まれ。高校時代「ビーバブ」を結成。
1974年、相鉄ジョイナス・フォーク・コンペティション決勝大会に進んだことをきっかけに、デビューが決まる。
デビューシングルは筒美京平プロデュースの「恋人時間」。
アート・ペッパーはじめ有名ジャズミュージシャンと競演したアルバム「アドリブ」「アンダートーン」、横浜コンセプトアルバム「YOKOHAMA RAGTIME」「パープルロード」「ヨコハマ・ノクターン」など14枚のアルバムを発表。
特に「アドリブ」「アンダートーン」はJAZZ歌謡POPS路線の先駆的アルバムとして評価も高い。
CMイメージソングやドラマ・映画の主題歌も多い。
また、女優としても数多くの作品に出演している。
1989年一度引退。
2004年5月に1980年代の未発表ライブ音源「ライブセレクション」を発表。
2005年音楽活動を再開。1月に16年ぶりのニューアルバム「パンドラの匣」を発表。
2004年12月の茅ヶ崎でのシークレットライブを皮切りに横浜をホームベースに都内でもライブ活動を行っている。
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